篠原20103-07 線量分割法 ざっくり言うと 通常分割照射以外はaltered fractionationと総称される。 Hyper(多分割)の意味は、1回線量を下げること(=その分、CFより多くの回数照射すること) Accelerated(加速)の意味は、総治療期... 2015.08.27篠原2010
篠原20103-04 化学放射線療法の基礎 基礎知識 化学放射線療法の理論的根拠は spatial cooperation (空間的協働)と呼ばれる概念である。要するに補いあうこと。 電子放射線の作用には細胞周期が関係するが、化学療法に比べてシンプルである。 放射線治療と化学... 2015.08.27篠原2010
篠原20103-01-(1) 放射線腫瘍学の生物学的基礎ー細胞レベルの放射線生物学 直接作用と間接作用 直接作用(direct action) : 放射線が生体物質を直接電離させること 間接作用(indirect action) : 放射線が生体物質以外の物質(水など)を電離させ、その結果生じたラジカルなどが生体物質に... 2015.08.27篠原2010
篠原20107-30 縦隔腫瘍 – 胸腺腫 7-30-1 縦隔腫瘍 - 胸腺腫 ざっくり言うと 処方線量は予防 40Gy/20Fr,根治/救済 60Gy/30Fr(胸腺癌、胚細胞腫瘍) or 50Gy/25Fr(胸腺腫)である。 胸腺腫の基礎知識 縦隔腫瘍はまれであるが... 2015.08.21篠原2010
篠原20102-10 小児の放射線治療の特殊性 基礎知識 鎮静薬はドルミカム(拮抗薬 アネキセート)が望ましい 小児癌のサバイバーシップ 米国統計(1973-1999) 小児がん患者の75%以上が治癒し、1000人に1人が小児がんのサバイバー、20-34歳では570人に1人が... 2015.08.19篠原2010
篠原20106-07 SBRT 基礎知識 JCOG0403 : 手術可&不可能例の非小細胞肺癌StageⅠを対象としたphase Ⅱstudy JCOG0702 : 非小細胞肺癌SteageⅠBを対象とした線量増加試験 LQ modelは多分割照射を基礎とする... 2015.08.19篠原2010
篠原20107-74 総論(小児腫瘍) 疫学 治療方針 疾患 放射線治療 急性リンパ性白血病 ①一部の腫瘍でPCl(高リスクT細胞白血病)②中枢神経浸潤腫瘍への治療的CRT③再発,高リスク腫瘍への骨髄移植前のTBI 急性骨髄性白血病 ... 2015.08.19篠原2010
篠原20106-08 IGRT 基礎知識 体内臓器は重要な誤差要因であるが、このうち最大の誤差を生じる可能性のあるのは呼吸性移動である。 高速CTで撮像した場合、呼吸のある位相(吸気あるいは呼気)のみのデータが取得される危険性がある 迎撃照射(intercepting... 2015.08.19篠原2010
篠原20102-09 高齢者の放射線治療 基礎知識 米国では65歳超の老人の30-40%が毎年転倒している 転倒防止介入が治療後のQOL維持に有効とのstudyがある 日常生活動作(ADL)の1つ以上で依存あり、老人症候群(重度痴呆、うつ病、せん妄、自立性低下、度重なる転倒、自... 2015.08.18篠原2010
篠原20106-03 外照射 1980年代から放射線治療用のCT、MRI、即ちCTシミュレータ、MRIシミュレータが開発された マルチリーフコリメータは日本で開発された技術である。当初は2-3cm幅であった。 照射野照合画像取得装置(いわゆるEPID) 2015.08.18篠原2010
篠原20106-10 全身照射 基礎知識 レシピエントとドナーの関係による分類 分類 定義 自家移植(autologous transplantation) ドナーとレシピエントが同一 同系移植(syngeneic trans... 2015.08.18篠原2010
篠原20106-11 全脳全脊髄照射 ざっくり言うと 髄芽腫、高悪性度上衣腫、播種を伴う胚細胞腫などに適応あり 線量は30Gy±5Gy程度である CSIのみという治療はなく、CSI後必ず原発ブーストを加える。 基礎知識 適応となる疾患: 髄芽腫、松果体腫瘍、一部の脳... 2015.08.18篠原2010
篠原20106-05 術中照射 基礎知識 術中照射は、術中に1回、大線量を投与する方法である 15-25GT程度の1回大線量照射は通常分割照射の線量の2倍程度の効果があるとされる IORTの有害事象として長期的に最多なものは末梢神経障害である → 末梢神経の線量を可及... 2015.08.18篠原2010
篠原20105-01 高線量率 基礎知識 1989 キュリー婦人がRa-226を発見 → 1901 皮膚ループスへの臨床応用開始 Ra-226による医療者の被曝、壊変生成物による汚染事故が発生 Ra-226より安定した低エネルギー人工同位元素が開発された ... 2015.08.18篠原2010
篠原20105-01 がんの統計 基礎知識 生命表法: 生命保険会社で被保険者の生存/死亡確率を計算するために用いれていたためactuarial methodと呼ばれる。 観察期間を一定の間隔(例えば月、年)に区切り、各観察期間で当初生存していた人員数と発生したエン... 2015.08.18篠原2010
篠原20106-12 全脳照射 ざっくりいうと 全脳照射の耐容線量は 50Gy 全脳照射では再照射も可能 全脳照射の線量では局所制御は不十分 原発性脳腫瘍では照射範囲を疾患ごとに整理する。CNSリンパ腫、上衣腫、胚細胞腫瘍はWBRT。髄芽腫、高... 2015.08.17篠原2010
篠原20107-10 脊髄腫瘍 基礎知識 脊髄はL1-2レベルで太さを減じて脊髄円錐となる 脊髄の末端より尾側の脊髄腔は馬尾と呼ばれる 脊髄腫瘍は脊髄から発生する腫瘍のみを指すわけではない。脳腫瘍と同様に脊髄およびその周囲にある組織から発生する腫瘍の総称である。 原発... 2015.08.17篠原2010
篠原20107-71 皮膚悪性リンパ腫・菌状息肉腫 基礎知識 皮膚悪性リンパ腫のうちT-cell lymphoma(Cunaneous T cell lymphoma:CTCL) が 70-90%、B cell lymphomaは10-20%である T細胞系、B細胞系ともにindolen... 2015.08.16篠原2010
篠原20106-04 IMRT 基礎知識 IMRT(JASTRO定義) : 3D-CRTの進化系。逆方向治療計画(inverse plan)に基づき、空間的、時間的に不均一な放射線強度を持つビームを多方向から照射することにより、病巣部に最適な線量分布を得る放射線治療。... 2015.08.16篠原2010
篠原20107-24 比較的まれな頭頸部腫瘍 グロムス腫瘍 グロムス小体: 血中の酸素O2や二酸化炭素CO2あるいはpHに反応する組織。正常では1-5mm程度。 経静脈型グロムス腫瘍(経静脈球内から発生)が最多。次に鼓室型グロムス腫瘍(中耳内側壁から発生)が多い。 ... 2015.08.13篠原2010
篠原20102-12 放射線治療有害事象の化学療法による修飾 放射線と抗癌剤併用による有害事象の増強 分類 影響 併用による作用 アルキル化剤 マスタード薬 シクロフォスファミド 骨髄抑制の増強 代謝拮抗薬 葉酸拮抗薬 メソトレキセート... 2015.08.13篠原2010
篠原20107-23 甲状腺癌 基礎知識 甲状腺がんは全悪性腫瘍の1.2% 甲状腺がんは女性や若年者に比較的多い 甲状腺腫瘍の組織学的分類 分類 組織型 良性 1.濾胞腺腫 2.腺腫様甲状腺腫 3.機能性... 2015.08.13篠原2010
篠原20107-50 膀胱癌 基礎知識 日本では膀胱癌の治療で放射線治療が第一選択となることは事実上ほぼない 温存膀胱からの再発に対する治療法は確立されていない 日本では選択的動脈注射による化学療法とRTの併用の方向も多い 病理組織・病理分類 組織別分類 :... 2015.08.13篠原2010
篠原20101-02 腫瘍学とは 基礎知識 50年前、がん放射線治療の成否は、腫瘍本来の性状に60%、臨床的判断に30%、治療技術はわずかに10%の影響しか与えないと教えられた 癌全体の5年生存率 年代 がん全体の5年生存率 1975-19... 2015.08.13篠原2010
篠原20107-41 肝癌の放射線治療 基礎知識 肝癌の放射線治療は線量依存性の高い有効性を示す 肝幹細胞は肝細胞および胆管上皮細胞に分化する 原発生肝癌の割合: 肝細胞癌(90%)、胆管細胞癌(5%)、その他として、肝細胞芽腫、肝細胞胆管細胞混合癌、未分化癌、胆管嚢胞腺癌、... 2015.08.12篠原2010
篠原20107-42 胆道系腫瘍 基礎知識 胆道とは: 肝細部から分泌された胆汁が十二指腸に流出するまでの全経路。肝外胆管と肝内胆管からなる。 日本胆道外科研究会による取扱規約では、肝外胆管系に原発した癌を胆道癌と定義している。(肝内胆管癌は日本では肝癌に分類する)。 ... 2015.08.12篠原2010
篠原20107-40 胃癌 基礎知識 日本では胃癌の罹患数は年間減少傾向であるが、その死亡数は年間5万人程度で減少傾向はない。 近年のCRTでは進行例でも10%をこす病理学的完全寛解が得られている。 治療方針 日本ではD2郭清が標準手術 欧米ではRCTにて... 2015.08.12篠原2010
篠原20107-43 膵癌 基礎知識 国がん統計では膵癌の人口10万人あたりの年齢調整罹患率(2003年)は男性12.6人、女性7.4人、年齢調整死亡率(2007年)は男性12.4人、女性7.2人 膵癌の予後は著しく不良。癌全体の5年生存率は約50%、... 2015.08.11篠原2010
篠原20107-49-2 腎・腎盂・尿管腫瘍 -> 腎盂・尿管 基礎知識 腎盂・腎杯、尿路の上皮から発生する癌を上部尿路上皮癌と総称する 腎盂癌の男女比は2-3:1 尿管がんは遠位1/3に好発する 上部尿路癌患者の約1/3に膀胱癌が発生する 腎盂・腎杯・尿管には膀胱のような発達した固有筋層がないため... 2015.08.11篠原2010
篠原20107-49-1 腎・腎盂・尿管腫瘍 -> 腎 基礎知識 成人の腎実質に発生する悪性腫瘍の 85-90%は腎細胞癌である 腎癌発生の危険因子: 喫煙・肥満・高血圧など。長期透析患者の多くに発生する後天性嚢胞性腎疾患(Acquired cystic disease of kidney:... 2015.08.11篠原2010
篠原20107-44 結腸癌 基礎知識 大腸癌のリスクファクターとして遺伝要因より環境要因の比重が大きいと考えらている。特に動物性脂肪の過剰摂取が指摘されている。 大腸癌の90%は腺癌である 大腸癌診断時の病期 病期 割合 Ⅰ 30... 2015.08.11篠原2010
篠原20107-09 聴神経鞘腫 基礎知識 聴神経鞘腫の治療法には(1)手術 (2)GKの2つがある 通常、第一選択は手術である 聴力および顔面神経機能の温存率はGKが手術に勝る 放射線治療 治療方針決定には、腫瘍の解剖学的分類である Koos classifi... 2015.08.10篠原2010
篠原20107-06 脳室上衣腫 基礎知識 成人では全脳腫瘍の2-9%、小児では6-12%、3歳以下では30% WHO分類ではⅠ-Ⅲに分類される。Ⅰはmyxopapillary ependymomaやsubependymomaなどが含まれ異なったエンティティ... 2015.08.10篠原2010
篠原20107-11 比較的まれな脳神経腫瘍 組織診断がつかない脳幹部腫瘍 中脳・今日・延髄に発生した腫瘍の総称(橋発生が最多) 小児脳腫瘍の10-20%を占める 組織型はほとんどがびまん性の glioblastoma または anaplastic astrocytoma → 予後... 2015.08.10篠原2010
篠原20107-81 比較的まれな小児腫瘍 胚細胞性(由来)腫瘍 胚細胞性腫瘍は原発部位によって(1)性腺(2)性腺外発生の2つに大きく分類される 性腺外の発生部位は仙骨部、後腹膜、縦隔、頸部、頭蓋内(松果体近傍)が多い 画像では境界明瞭な球型腫瘤を形成する yolk sac成分... 2015.08.10篠原2010
篠原20107-91 原発不明がん 基礎知識 原発不明がん(Carcinoma of unknown primary: CUP) 原発不明がんは全悪性腫瘍の 3-5% 原発不明がんの20-50%は剖検しても原発不明 原発不明がんは多くの場合、発症時に病変多発しており予後不... 2015.08.10篠原2010
篠原20107-93 悪性腫瘍による気道狭窄 基礎知識 気道狭窄、気道閉塞は治療の絶対適応である(呼吸困難、閉塞性肺炎という最も苦しい呼吸器症状を引き起こすため)。 気道狭窄に対する治療は数ヶ月程度の生存期間延長を期待できる 肺癌の縦隔浸潤はT4である。 食... 2015.08.10篠原2010
篠原20107-18 喉頭 基礎知識 亜部位は声門上部、声門部、声門下部 癌の発生頻度は声門上部(26.2%)、声門部(70.4%)、声門下部(2.2%) 喉頭癌は全頭頸部癌の15.7% 初診時リンパ節転移の頻度は声門癌(8%)、声門上癌(45%) 喉頭のリンパ節... 2015.08.06篠原2010
篠原20107-78 ウィルムス腫瘍(小児腎腫瘍) 基礎知識 ウィルムス腫瘍は小児の腎腫瘍中最多。 胎生期後腎組織に由来。 予後良好群の治癒率は 90%以上。 好発年齢2-3歳。75%が5歳以下に発生。 原因遺伝子: WT1遺伝子(11p13)、WT2遺伝子(11p15) 予後因子:腫瘍... 2015.08.06篠原2010
篠原20107-84 翼状片 基礎知識 翼状片は「眼球結膜の線維芽細胞」が角膜との境界部において以上増殖し、角膜におよぶ良性疾患である 症状: 初期には充血や異物感、進行すると乱視などの視力障害 ほとんどが鼻側発生(97%)。耳側発生(3%)。 好発年齢は40-60... 2015.08.06篠原2010
篠原20106-15 BNCT 基礎知識 中性子はエネルギーによって原子核との反応が大きく変化する 速中性子( > 10Kev) 熱中性子 ( > 0.5eV、平均 0.025eV) BNCTでは熱中性子を用いる (BNCT以前には速中性子線治療が期待され... 2015.08.06篠原2010
篠原20107-45 直腸癌 基礎知識 日本では年間4万人が大腸癌で死亡(2008) 解剖 解剖学的には直腸とは、腸間膜を失う第2仙椎以下の高さの結腸 外科手術的には直腸とは、直腸S状部を含む広角の高さ以下の部分 下部直腸ほど狭く、腹膜に包まれない上、骨盤に... 2015.08.05篠原2010
篠原20107-47 まれな消化器癌の放射線治療 ざっくり言うと 癌、神経内分泌腫瘍、間葉系腫瘍、悪性リンパ腫が大きな分類 腹膜にも中皮腫がある、温水で腹腔内にケモ投与で治療成績が上がっている 消化管の神経内分泌腫瘍 カルチノイドと膵内分泌腫瘍(インスリノーマ、グルカゴノーマ、... 2015.08.05篠原2010
篠原20107-61-1 卵巣癌 基礎知識 卵巣悪性腫瘍は全女性生殖器悪性腫瘍の約1/3 成熟期の卵巣は母子頭大。長径5cmくらいまでは正常範囲。 卵巣腫瘍の 85%が良性、15%が悪性 卵巣腫瘍は発生母地から(1)上皮性腫瘍(卵巣の表層を覆う細胞に由来) (2)非上皮... 2015.08.05篠原2010
篠原20107-39 食道癌 胸腹部 基礎知識 日本では扁平上皮癌が90%。欧米では腺癌が50%。 同時性重複癌は約10%、同時性+異時性重複癌は20%弱 解剖 頸部(Ce) + 胸部(Te) + 腹部(Ae)に分類。胸部は 上胸部(Ut)+中胸部(Mt)+下胸(L... 2015.08.05篠原2010
篠原20105-10 がんのIVR 体液貯留に対するシャント術 デンバーシャント留置 : 難治性腹水の治療。シャントチューブにより腹水を中心静脈に還流させる。シャントチューブは皮下トンネルを介して留置する。 日本発の治療としてTTPVS (Tras-jugular tra... 2015.08.04篠原2010
篠原20107-36 再発乳癌 ざっくり言うと 局所・領域再発では局所治療優先、通常手術。しかし鎖上リンパ節転移は、準遠隔転移とみなし全身療法優先。 腋窩リンパ節郭清術、腋窩含む再照射は、原則的に繰り返さない。照射をやむをえず追加する場合は限局照射野で。 基礎知識... 2015.08.04篠原2010
篠原20105-11 免疫療法 基礎知識 がん患者は免疫制御機構が強まり免疫抑制状態にある→がん免疫療法が期待された効果を上げない原因の1つ 免疫療法は大規模RCTで確立されたエビデンスはほとんどなく、保険収載された治療も少ない がん免疫療法の種類 種... 2015.08.03篠原2010
篠原20107-86 バセドウ病・甲状腺眼症 基礎知識 バセドウ病とは: 甲状腺に対する自己抗体により甲状腺機能が亢進している状態。びまん線甲状腺腫を伴う甲状腺中毒症状、眼球突出、頻脈、限局性粘液水腫などを呈する バセドウ病の約30%に眼症が発症する 眼症のうち5-15%が中等度な... 2015.08.03篠原2010
篠原20107-63 皮膚癌 ざっくり言うと 皮膚がんはメラノーマかその他に分類 メラノーマは放射線抵抗性、非メラノーマは放射線感受性 BCCとSCCが代表的な非メラノーマ SCCはその名の通り普通の皮膚(ケラチノサイト)由来、BCCは毛包由来 非メラノーマにはRT... 2015.08.03篠原2010