2-12 放射線治療有害事象の化学療法による修飾

放射線と抗癌剤併用による有害事象の増強

分類 影響 併用による作用
アルキル化剤 マスタード薬 シクロフォスファミド 骨髄抑制の増強
代謝拮抗薬 葉酸拮抗薬 メソトレキセート 髄注と全脳照射で白質脳症のリスク上昇
ピリミジン拮抗薬 フルオロウラシル 粘膜炎の増強
テガフール 粘膜炎の増強
テガフール・ウラシル(UFT) 粘膜炎の増強
テガフール・ギメラシール・オテラシル(TS-1) 粘膜炎の増強、血液毒性の増強
ゲムシタビン 胸部照射との併用は禁忌(心毒性)、腹部照射との併用で有害事象増加
抗腫瘍性抗菌薬 アンスラサイクリン径 ドキソルビシン 心筋障害、骨髄抑制の増強
アクラルビシン 心筋障害、骨髄抑制の増強
その他 マイトマイシンC マイトマイシンCの有害事象増強
アクチノマイシンD 骨髄抑制増強
ブレオマイシン 胸部照射との併用は禁忌(肺線維症)、頭頸部照射で粘膜炎増強
微小管阻害薬 ビンカアルカロイド ビンクリスチン 肝臓照射で肝毒性増強
ビンデシン 骨髄抑制増強
ビノレルビン ビノレルビンの有害事象増強
タキサン パクリタキセル パクリタキセルの有害事象増強
ドセタキセル 骨髄抑制の増強
白金製剤 シスプラチン 髄外照射で聴覚障害増強
カルボプラチン カルボプラチンの有害事象増強
ネダプラチン ネダプラチンの有害事象増強
トポイソメラーゼⅠ阻害薬 イリノテカン イリノテカンの有害事象増強
トポイソメラーゼⅠ阻害薬 エトポシド 骨髄抑制増強

中枢神経系

  • メトトレキセートの髄腔内注入 + WBRTにて白質脳症のリスク上昇
  • CDDP + 髄外照射で聴障害増強

末梢神経系

  • ビンカアルカロイド系、タキサン系の抗癌剤は末梢神経障害を増悪させる

粘膜系

  • ピリミジン系拮抗薬による粘膜炎増悪(頭頸部、食道、腹部など)が有名
  • ブレオマイシンは一定量以上併用すると放射線肺炎が必発 → 胸部RTとの併用は禁忌
  • ピリミジン系拮抗薬、タキサン系、トポイソメラーゼ阻害薬などでは強い下痢を生じる危険性あり
  • CDDP + RTで高度の下部粘膜炎のリスクあり(婦人科領域など)

心臓

  • ゲムシタビンは心毒性が強く、胸部照射との併用禁忌

皮膚(リコール現象; recall phenomenon)

  • RT皮膚炎が改善 → 抗癌剤投与 → 皮膚炎再燃する現象
  • 原因は不明(免疫系=サイトカインの影響が指摘されている)
  • アクチノマイシンDで最初に報告
  • ドキソルビシン、ビンクリスチン、シクロフォスファミド、ドセタキセルなどでも報告あり

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