6-05 術中照射

基礎知識

  • 術中照射は、術中に1回、大線量を投与する方法である
  • 15-25GT程度の1回大線量照射は通常分割照射の線量の2倍程度の効果があるとされる
  • IORTの有害事象として長期的に最多なものは末梢神経障害である → 末梢神経の線量を可及的に15Gy以下にすること

術中照射の耐容線量

  • 既往歴のない臓器
臓器 耐容線量 有害事象
大動脈、大静脈 50Gy 壁の線維化
末梢神経 15Gy 神経症
膀胱 30Gy 萎縮
尿管 30Gy 線維化、狭窄
腎臓 <15Gy 萎縮、線維化
胆管 20Gy 線維化、狭窄
小腸 <20Gy 潰瘍、線維化、狭窄
大腸 15Gy 潰瘍、線維化、狭窄
食道 <=20Gy 潰瘍、狭窄
心臓(右心房) 20Gy 線維化
20Gy 線維化
気管 30Gy 粘膜下線維化
  • 手術を受けた臓器
臓器 耐容線量 有害事象
大動脈吻合部 20Gy 線維化、狭窄
胆管小腸吻合部 <20Gy 吻合不全

電子線の線量分布

  • 電子線の深達度はエネルギーに比例する
  • ピークに到達後低下を始める。エネルギーの1/3の深度で80%となった後、急激に減衰し、1/2の深度で0%に達する。
  • 斜入電子線は垂直に入射する電子線に比べ深度が浅い方向へシフトする(深さ方向へ散乱する電子数が減少するため)
  • エネルギーが低いほど、表面線量が減る → 9MeV以下の電子線では表面線量は最大線量の90%以下であることに注意。

膵臓癌の術中照射

  • 近年は、ネオアジュバントのCRT後に開腹して切除を試み、その切除度により腫瘍or腫瘍床に術中照射をすることが増えている

結腸癌および直腸癌の術中照射

  • 切除不能例に術前CRTを行い、術中に病変の残存の疑われる部位に術中照射を加えることがある
  • 処方線量は10-20Gy。R0:10-12.5Gy、R1:12.5-15Gy、R2:15-20Gy

MGHの治療成績

R因子 5yLC 5y生存率
R0 89% 63%
R1 65% 47%
R2 57% 14%
  • 5y障害発生率は11%

乳癌の術中照射

  • ミラノから術中照射と通常の全乳房照射のRCTの報告あり。低リスク症例では 5yOSに有意差なく、適応を選べば術中照射により全乳房照射を省略できる可能性あり。

脳腫瘍

  • GBMに対する術中照射によるMST延長が確認されているが、定位放射線治療が普及した今日では施行しない

頭頸部

  • IMRTなどとの比較試験が必要な状況

食道癌

  • 食道癌術後照射として術中照射することで局所制御率 100-94%と良好な成績の報告あり(Arimotoら)

胃癌

  • 胃癌の術中照射にはnegativeな報告もあり、臨床試験の中でだけ行われるべき状況

胆嚢癌

  • 術中照射により治癒率が上昇する可能性あり

胆管癌

  • 切除時の根治性増加を期待して術中照射することあり

膀胱癌

  • TURBT → CRT → IROTの報告あり

後腹膜軟部組織肉腫

  • IORTは局所制御に有望

四肢軟部組織肉腫

  • IORTで成績向上の報告あり

婦人科腫瘍

  • 一般に婦人科癌の局所再発は予後不良であり、IORTにより予後改善する可能性がある

原発背い骨腫瘍

  • 実施することがある

脊椎転移

  • 駒込病院から予後改善の報告あり

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