2-10 小児の放射線治療の特殊性

基礎知識

  • 鎮静薬はドルミカム(拮抗薬 アネキセート)が望ましい

小児癌のサバイバーシップ

  • 米国統計(1973-1999) 小児がん患者の75%以上が治癒し、1000人に1人が小児がんのサバイバー、20-34歳では570人に1人が小児がんのサバイバー。
  • 長期生存者の約 75%は1つ以上の副作用を発症している。
  • 長期生存者の約 25%は5つ以上の副作用を発症している。
  • Grade3以上の副作用を認めているのは約40%
  • Grade3以上の障害の頻度: 整形外科的障害(14.2%)、二次発がん(11.9%)、肥満(9.4%)、不妊(8.9%)、精神/知能障害(7.9%)、神経障害(7.7%)、内分泌障害(5.3%)
  • 高度以上の負担を被るのはRT単独で約 55%、ケモ単独は約15%、手術単独は約25%。

神経系への影響

  • 頭部へのRTは肥満の相対リスクを高める
  • 頭蓋RT後の知能低下は照射時年齢が低いほど強い。10歳以上ではIQの低下はあまりみられないとの報告あり。
  • 知能障害と線量の関係: 3歳未満では18Gy以上、3歳から6歳では24Gy以上、6歳以上では30Gy以上の全脳照射で知能障害が有意となる。部分照射の場合、50Gy以下では知能障害は目立たない。
  • 白質脳症: RTとメトトレキサートやACNUとの併用で発症することあり。大脳の神経線維が障害される → 情報伝達が障害される → 意識障害、精神症状、運動障害を中心とした様々な神経障害を起こす。

遺伝的影響

  • デンマークの報告では遺伝的影響に有意差はなかった。
  • 被ばく線量が多くなると妊孕性低下や流産リスク上昇の可能性を示唆している。

二次がん

  • CCSS統計: 二次がんによる死亡の相対リスクは2.5倍(95%CI:1.6-3.9]
  • 二次がんによる標準化死亡率(SMR)は女性の方が男性より高い (22.5 vs 17.1)
  • SMRが最も高い原疾患はホジキンリンパ腫
  • 二次がんとして多いものは、乳癌(19.1%,SIR=16.18)、甲状腺がん(13.7%,SIR=11.34)、中枢神経腫瘍(11.5%)
  • 二次がん発症までの平均期間は11.7年。白血病の発症は5-9年で最もリスクが高いが、乳癌や甲状腺がんなどの固形癌は経過観察中にリスクが減少することはない。
  • 中枢神経系腫瘍の発症平均期間は14年、グリオーマは平均9年、髄膜腫は平均17年。

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