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7-50 膀胱癌
篠原2010
2015.08.13
基礎知識
- 日本では膀胱癌の治療で放射線治療が第一選択となることは事実上ほぼない
- 温存膀胱からの再発に対する治療法は確立されていない
- 日本では選択的動脈注射による化学療法とRTの併用の方向も多い
病理組織・病理分類
- 組織別分類 : 移行上皮癌(90%)、扁平上皮癌(5%)、残りが腺癌、肉腫
- 移行上皮癌は腫瘍分化度によってGrade 1-3に分類される
- 膀胱癌では筋層浸潤の程度がリンパ節転移・遠隔転移の発生リスクと相関する
- 病巣の浸潤度による分類: (1)筋層非浸潤膀胱癌、(2)筋層浸潤膀胱癌、(3)転移性膀胱癌
- 壁内深達度の評価にはTURBT(経尿道的膀胱腫瘍切除術)とその病理学的検査が必須である
- 予後因子: 病期、異型度、上皮内癌(Tis)の随伴、多発性など
- 膀胱癌のTis: 隆起性腫瘤を形成せず、這うように発達する。細胞異型が強く、再発・浸潤癌の危険因子である。他のがん腫でいう上皮内癌とは異なる。むしろ浸潤性癌の初期の状態と考えられている。Tisを紅斑に発症する患者は、尿路上皮全体にがんが発生するリスクが高い。
- 筋層浸潤(+)はT2である。T2a:筋層半ばまで(内側1/2)、T2b:筋層半ばを超える(外側1/2)
治療方針(筋層非浸潤膀胱癌)
- 標準治療はTURBT + 膀胱内注入療法による膀胱温存治療
- 粘膜下層までにとどまる癌(Ta,T1,Tis) (*) Ta:乳頭状非浸潤がん
- 新鮮症例の70%
- リンパ節転移、遠隔転移はほとんどない
- 生命予後良好
- TURBTのみでは40-80%が再発、10-25%が筋層浸潤病変、転移性病変へ進展する → 抗癌剤やBCGの膀胱内注入療法をリスクに基づき併用する
- TURBT + RT単独は膀胱内注入療法に対する優位性なく、行われない
治療方針(筋層浸潤膀胱癌)
- 標準治療は、根治的膀胱摘除術 + 骨盤リンパ節郭清
- 手術は局所制御は優れるが、進行例では 50%を超える遠隔転移あり
- 周術期RT単独の併用は生存率への寄与なし
- 術前化学療法は生存率の有意な改善あり。術後化学療法では有意なゲインなし。
- 化学放射線治療は治癒可能性を有しており、症例を選択すれば適応の可能性あり
治療方針(転移性膀胱癌)
- 標準治療は化学療法
- 治癒可能性はほぼなし
- 平均余命は一般には短いが、尿路上皮癌は化学療法に対する反応性が他の固形癌に比較して良好であり、比較的長期寛解を得られるものもある
- CRT著効例では根治膀胱摘除術の可能性が開ける症例がある
放射線治療
- 膀胱癌の所属リンパ節は総腸骨動脈分岐部以下の骨盤リンパ節 → これを全て含めると全骨盤照射となる → 実際はこれをやや縮小した小骨盤照射が多い
- RTは小骨盤or全膀胱に 40-55Gy照射 → 腫瘍に限局して10-20Gy boost、総線量 65Gy前後が多い。
- CRTの併用薬剤は、シスプラチン単剤、シスプラチン+5FU、シスプラチン+ゲムシタビン、シスプラチン+パクリタキセル、シスプラチン+パクリタキセル+ゲムシタビンなどが多い。分子標的薬ではハーセプチンやイレッサなどの研究が進められている。
治療成績(RT単独)
- 5y生存率は22-38%。
- 膀胱からの局所再発率60%との報告あり
治療成績(CRT)
- 局所制御率: 62-90%
- 5y生存率:45-76%
- 選択的動脈投与併用放射線治療では局所制御率:50-92%(但し日本以外からの穂国少ない)
有害事象
- 晩期有害事象: 腸管障害、難治性膀胱炎、萎縮性膀胱など
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