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7-43 膵癌
篠原2010
2015.08.11
基礎知識
- 国がん統計では膵癌の人口10万人あたりの年齢調整罹患率(2003年)は男性12.6人、女性7.4人、年齢調整死亡率(2007年)は男性12.4人、女性7.2人
- 膵癌の予後は著しく不良。癌全体の5年生存率は約50%、比較的予後不良とされる肺癌で約20%、膵がんでは5%。
- 初診時に切除可能な膵癌は20%にすぎない。
- 切除された膵がんにおいて5年生存率は20%にすぎない
- 局所進行非切除例の5年生存率は1-2%、遠隔転移症例の長期生存はさらにまれ。
病気診断
- 傍大動脈リンパ節転移は遠隔転移として扱う
- 膵癌の血行性転移は肝が最多(門脈経由)
病態的特徴
- 症状: 非特異的消化管症状(食思不振、腹部不快感、体重減少など)、黄疸、背部痛など
- 糖尿病と慢性膵炎が合併症としての危険因子
- CA19-9 (Carbonhydrate antigen 19-9)は感度 90%以上であり、膵癌の診断、予後予測、治療効果判定、再発モニターに有用。
- 腫瘍マーカー : CA19-9、Span-1、Dupan-2
- 画像上の鑑別診断 : 腫瘤形成性膵炎、膵内分泌腫瘍、膵管内乳頭粘液性腫瘍(IPMN; intraductal papillary mucinous neoplasm)、限局性の自己免疫性膵炎など
治療方針(切除可能膵癌)
- 膵癌診療ガイドラインでは、局所進行切除不能膵癌の治療法の1つとしてCRTが推奨されている
- 概ねStageⅡ以下が手術、ⅢがRT、IVがケモであるが、境界域が存在する
- 従来、術後化学放射線治療が積極r的に行われてきたが、ESPACのRCTでRTの効果が示されず、下火となった → 現在の膵癌診療ガイドラインでは術後補助療法としては全身化学療法(5-FUまたはゲムシタビン)が推奨されている
- 切除可能膵癌に対する術前化学放射線治療の意義は定まっていない。
- 膵癌では初診時に明らかでなかった遠隔転移が治療開始直後に顕在化することはしばしば経験される
- 局所制御力の最も高い治療は、切除術+術中照射である。今後の研究成果が待たれる。
治療方針(局所進行膵癌)
- 遠隔転移(-)の局所進行膵癌(StageⅢ)は根治CRTの適応である(=5-FU併用CRTが標準治療)
- 5-FUの併用方法、併用時期、および維持化学療法を含めた化学放射線療法の具体的なレジメンについては、いまだ一定のコンセンサスは得られていない
- 遠隔転移(-)の局所進行膵癌(StageⅢ)に対する化学療法単独がCRTに劣るというエビデンスはない → 今後ケモ単独でよくなるかもしれない
- 一般に他部位の局所進行癌(頭頸部、肺癌、食道癌など)では、「化学療法(neoadjuvant) → 化学放射線療法」よりも「「化学放射線療法 → 化学療法(adjuvant)」の方が好まれる傾向があるが、膵癌は治療早期に遠隔転移が出現しやすいという特徴があるため、化学療法を先行させる意義はあると考えられる。即ちケモ先行し、遠隔転移の出現しない症例に限ってCRTを行うというアプローチも試みられている。
放射線治療
- 処方線量 50-54Gy/25-30Fr(50Gy/25Fr、50.4Gy/28Fr、54Gy/30Frが頻用)
治療成績
併用療法
- 5-FUの併用は、照射日に 200mg/sqm/dayを持続静脈内投与する方法が主流
- ゲムシタビンの投与方法は様々であるが、RT期間中に週1回または3週投与1週休薬で 250-1000mg/sqmを静脈内投与する
- RT前後のケモではゲムシタビン 1000mg/sqmの3投1休が標準的
有害事象
- 急性期有害事象として上部消化管症状(嘔気・嘔吐、食欲低下など)はほぼ必発
- G-CSF投与同日のRTは休止すべきと考えられている
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