基礎知識
- 大腸癌のリスクファクターとして遺伝要因より環境要因の比重が大きいと考えらている。特に動物性脂肪の過剰摂取が指摘されている。
- 大腸癌の90%は腺癌である
- 大腸癌診断時の病期
| 病期 | 割合 |
|---|---|
| Ⅰ | 30% |
| Ⅱ | 30% |
| Ⅲ | 25% |
| Ⅳ | 15% |
- 再発形式には遠隔再発と局所再発がある
結腸癌 vs 直腸癌の治癒切除後の初発再発部位別別再発率 (大腸癌研究会プrpジェクト 1991-1996 3583例 vs 1647例)
| 再発部位 | 結腸がん | 直腸がん |
|---|---|---|
| 肝転移 | 7.0% | 7.3% |
| 肺転移 | 3.5% | 7.5% |
| 局所 | 1.8% | 8.8% |
| 吻合部 | 0.3% | 0.8% |
| その他 | 3.6% |
- 肝以外の転移は直腸癌の方が多い
予後因子
- 遠隔転移の有無、遠隔転移の個数、リンパ節転移の有無、リンパ節転移の個数、壁深達度など
- 治療前血清CEAが予後不良と関連するとの方向もあり
病期分類
- Dukes分類、Astler-Coller分類、TNM分類がある
治療方針
- Ⅰ-Ⅲ期:外科的切除とリンパ節郭清が標準治療
- cM癌またはcSM軽度浸潤癌で2cm未満 → 内視鏡的切除の適応あり
大腸癌取扱規約によるリンパ節郭清度の分類
| 分類 | 定義 |
|---|---|
| DX | リンパ節郭清度が不明 |
| D0 | 腸管傍リンパ節の郭清が不完全である |
| D1 | 腸管傍リンパ節が郭清された |
| D2 | 腸管傍リンパ節および中間リンパ節が郭清された |
| D3 | 領域リンパ節が郭清された |
大腸癌取扱規約による推奨術式
| 診断 | 推奨術式 |
|---|---|
| 術前・術中診断でリンパ節転移を疑う場合 | D3郭清 |
| リンパ節転移を認めない場合 | cSM癌 → D2郭清、cMP癌 → D2ないしD3郭清、cSS癌 → D3郭清 |
術後補助化学療法
- 適応: pN(+)Ⅲ期と再発高危険度群(郭清リンパ節個数12個未満、T4、穿孔、低分化型腺癌、印環細胞癌・粘液癌など)のⅡ期は術後補助化学療法が標準治療である。
- 推奨レジメン: 5FU+LV療法、UFT-LV療法、カペシタビン療法
- カペシタビンは5-FU系の経口薬である。TS-1も5-FU系の経口薬である。
Ⅳ期の治療
- 肝転移や肺転移が切除可能 → 外科的切除
- 切除不能例 → 化学療法
- 切除不能進行・再発結腸癌では化学療法を実施しない場合のOSは8mosである。化学療法により2年まで延長する。
- 推奨レジメン
- (1) FOLFOX(5-FU+LV+オキサリプラチン±ベバシズマブ), CapOX(カペシタビン+オキサリプラチン)
- (2) FOLFIRI(5-FU+LV+イリノテカン)
- (3) FOLFOX±セツキシマブ/パニツムマブ
- (4) FOLFIRI±セツキシマブ/パニツムマブ
- (5) 5-FU+LV療法±ベバシズマブ or UFT+LV療法
-
セツキシマブとパニツムマブの投与はKRAS陽性型に限られる
放射線治療
- 上/下行結腸癌では側臥位が推奨される
- 側臥位、腹臥位では固定具使用が推奨される
- 処方線量
- 術後照射: 50-50.4Gy/25-28Fr
- 切除不能な肉眼的病変が残存し、小腸が照射体積内に含まれない場合: 55-60Gy程度まで線量増加を検討
- 緩和照射 : 45-50Gy 1回1.8-2.0Gy程度
-
RTは5-FUとの同時併用が標準治療である
-
外科的剥離断端が陽性/近接している場合 → 術中照射を検討(9-15MeVで10-15Gy程度)。IORTでは神経、尿管を照射範囲から外す必要がある。
-
断端陰性例のPORTによる5yLCは約90%
- T4症例へのPORTは手術単独に比べ約20%の局所制御率向上をもたらす
治療成績
- SEER(TNM6thによる分類) 1991-2000
| 病期 | 5年生存割合 |
|---|---|
| Ⅰ | 93.2% |
| ⅡA | 84.7% |
| ⅡB | 72.2% |
| ⅢA | 83.4% |
| ⅢB | 64.1% |
| ⅢC | 44.3% |
| Ⅳ | 8.1% |

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