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7-36 再発乳癌
篠原2010
2015.08.04
ざっくり言うと
- 局所・領域再発では局所治療優先、通常手術。しかし鎖上リンパ節転移は、準遠隔転移とみなし全身療法優先。
- 腋窩リンパ節郭清術、腋窩含む再照射は、原則的に繰り返さない。照射をやむをえず追加する場合は限局照射野で。
基礎知識
- 再発乳癌は初期治療により2つに分けられる:(1)乳房温存療法後 (2)乳房切除術後
- 局所再発=乳房内再発であり、領域再発=領域リンパ節(腋窩、鎖骨上下窩、傍胸骨リンパ節)再発
乳房温存術後の再発
- Ⅰ・II期乳癌BCTの20年成績は、乳房内再発14.3%、領域再発 5.4%、NSABP(National Surgical Adjuvant Breast and Bowel Project)
- EBCTCTのメタアナリシスでは、BCT後の局所-領域再発率は照射の有無に関わらず10年近くまで増加を続けた。10年局所-領域制御率では腋窩リンパ節陽性例で13.1%、陰性例で10.0%である。
- 局所再発の3/4は術後5年以内に発生する → その後も治療可能な再発は長期間一定の割合で発生する → 定期的なMMGが必須
- 化学療法、ホルモン療法、分子標的薬の併用を検討する
- 乳房内部再発のリスク因子: 若年、腫瘍径、多発がん、遺伝的素因、リンパ節転移、節外浸潤、断端状況、広範な乳管内成分(EIC)、核異型度、脈管侵襲、がん遺伝子、エストロゲン受容体(ER)、補助療法の有無
治療方針(BCT後局所再発)
- 遠隔転移(+) → 全身療法先行。遠隔転移(-) → 全乳房切除術。腋窩リンパ節郭清の繰り返しは原則避ける(初回手術での腋窩リンパ節郭清の有無が治療方針を決める)
- 乳房内再発に対する再度の乳房温存術は標準的ではない。再切除そのものは可能であるが、整容性が低いこと、なにより再照射による重篤な有害事象が予想されるからである。
- 遠隔転移(-)例では通常は全乳房手術を先行するが、皮膚浸潤を伴う炎症性再発は急激に全身に広がることがあるため、例外的に化学療法を先行させる。
治療方針(腋窩再発)
- 腋窩リンパ節に対する手術 → 遺残腫瘍がある場合のみ術後照射(現況照射野で)
治療方針(鎖上リンパ節再発)
- 化学療法先行 → 集学的治療の中で可能なら(=照射歴がなければ)鎖上に50Gy/25Fr+boost 10Gy/5Frを照射
乳房温存術後再発の治療成績
- BCTと乳房切除術の治療成績が同等なのは、初回RTにより腫瘍が制御されているからではなく、乳房内再発が乳房切除術で救済されているためである
- 乳房内再発に対する標準治療は全乳房切除(再治療としてBCTを行った場合の死亡リスクは全乳房切除群の約2倍)
- 再発部位によって予後が異なる :
| 再発部位 |
5y無遠隔再発率 |
5y全生存率 |
| 乳房内 |
51.4% |
59.9% |
| 領域リンパ節および胸壁再発 |
18.8% |
24.1% |
| 腋窩リンパ節再発 |
31.5% |
|
| 鎖上リンパ節再発 |
12.1% |
|
乳房切除後の再発
- PMRTにより局所-領域再発が減少する
- EBCTCTによれば、10年局所-領域リンパ節再発率は照射により、リンパ節転移(+)例で 27.6% → 7.5%、リンパ節転移(-)例で 8.0% → 3.1%に減少する
治療方針(乳房全摘後胸壁再発)
- 可及的切除が第一。できなければ化学療法 → 切除可能性再検討
- PMRT歴なし → PMRT相当の照射
- PMRT歴あり → 遺残腫瘍のみ現況照射野で
- PMRT後の再照射も可能性あり(奏効率 56%との報告あり)
治療方針(乳房全摘後腋窩LN再発)
治療方針(乳房全摘後鎖上LN再発)
- 全身疾患と考え化学療法先行。
- 照射方針は胸壁再発、腋窩リンパ節再発と同様。
治療方針(乳房全摘後傍胸骨LN再発)
治療成績
- 乳癌II・III期に対する全身療法(化学療法/TAM)施行令におけるPMRTの治療成績(デンマーク) : 3083人中535人に遠隔転移を伴わない局所・領域再発を認めた → 集学的な救済治療により持続的局所制御率 42%、5y無遠隔転移再発率 27%、5y生存率 36%。
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