篠原2010

7-63 皮膚癌

ざっくり言うと 皮膚がんはメラノーマかその他に分類 メラノーマは放射線抵抗性、非メラノーマは放射線感受性 BCCとSCCが代表的な非メラノーマ SCCはその名の通り普通の皮膚(ケラチノサイト)由来、BCCは毛包由来 非メラノーマにはRT...
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7-90 オリゴ転移への放射線治療

基礎知識 oligometastasis : 少数の遠隔再発/転移のみで、遠隔再発/転移部位に局所治療を加えることで延命効果のある病態 1995 Hellmanらがoligometastasisという語を提唱した oligometast...
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7-35 乳房切除術の適応にならない進行乳癌

基礎知識 乳房切除の適応にならない進行乳癌は全身性疾患であり、全身薬物療法が治療の主体である 切除不能進行乳癌のRTの報告は少なく、エビデンスレベルの低い領域である 局所進行切除不能例でのRTの目的は、予後改善(主として局所制御と考えら...
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7-92 脊椎・脊髄転移

ざっくり言うと 脊髄圧迫症候群に対しては基本RTをやって問題ないが、手術の方が明らかに優れる症例はしっかり手術にまわすべき(即ち長期予後、合併症重篤例) 疼痛コントロール80%に比べ、歩行機能温存率は少し落ちる60-70%のイメージ 早...
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7-64 悪性黒色腫

基礎知識 悪性黒色腫はメラノサイトががん化したもの 人種間で発生頻度や好発部位に差がある 発生頻度(人口10万人あたり) 白人:15、日本人:2、黒人:0.5 日本での悪性黒色腫の年間死亡者数は 500人前後 好発年齢 : 60-70歳...
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7-54 精巣腫瘍

ざっくり言うと 血清腫瘍マーカーが非常に重要。予後因子として、また鑑別診断として。 RTのよい適応はセミノーマのIIA/B期。他は必須ではない。30or36Gy。 精巣から離れた腹部大動脈周囲リンパ節こそが一番照射しなければならない領域...
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5-06 外科腫瘍学

基礎知識 がんに対する手術成績の短期評価指標として、「手術合併症率」と「手術死亡率」がある 手術死亡は術後"30日"以内の死亡を指す。30日以降の場合は合併症死とする。 欧米ではリンパ節転移は全身疾患とする考え方が支配的であり、リンパ節...
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7-13 口腔(舌以外)

ざっくり言うと 早期(Ⅰ/II期)の口腔癌の局所制御率は高い 80-90%以上 放射線治療は金粒子刺入、モールド治療が重要な役割を果たす 早期口腔癌でも3割に頚部リンパ節転移が出現する → これが最大の予後因子 重複癌(毎年3%)、二次...
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7-94 上大静脈症候群(SVC症候群)

ざっくり言うと 症状(気道狭窄、脳浮腫)がなければ慌てなくてよい(教科書では緊急照射に入っているが、それほど緊急ではない) やみくもに治療を急ぐより、根治治療可能かどうか、RT/ケモ/CRTどれでいくべきかなど、診断をつけて戦略をたてる...
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7-53 術後照射・再発前立腺癌

ざっくり言うと 補助照射と救済照射がある 補助照射に関しては半分が無駄撃ち。うてば、真の陽性の人の場合、癌を1/2程度の確率で制御できる 生存への寄与は不明。局所制御は改善する。 頚癌PORTに比べれば副作用は少なく、局所制御改善のエビ...
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7-65 軟部肉腫

ざっくり言うと 軟部肉腫は小円形腫瘍とその他に分ける 肺転移が多く、リンパ節転移が少ない 手術が治療の中心で放射線はその補助。 手術+RTで高率 80-90%の局所制御が可能。 EBRTの線量は術前で50Gy、術後で60(ew(-)) ...
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7-17 下咽頭癌

基礎知識 日本では年間 500-700例 下咽頭癌は全頭頸部癌の約10-15% 男女比 9-13:1。好発年齢:60代、50-70代で90%。 下咽頭はリンパ流豊富であり、リンパ節転移が多い 発見時に進行がんであることが多い 下咽頭癌は...
医学備忘録

傍咽頭間隙(副咽頭間隙)

概要 傍咽頭間隙(PPS)の周りには頸動脈間隙(CS)、咀嚼間隙(MS)、咽頭粘膜間隙(PMS)、耳下腺間隙(PS)があります。この周りからの変位や波及が重要となります。 傍咽頭間隙は、頭蓋底から舌骨まで半月様をなしてつながっている...
医学備忘録

眼窩尖端部 orbital apex

概要 ピラミッド型をした眼窩の最も背側の部分。頭蓋顔面接合部(craniofacial junction)にある 眼窩尖端部症候群や骨折などで重要な解剖学的部位 出典 @MedScape
医学備忘録

視蓋 とは

視蓋=中脳上丘である。上丘は左右1対の構造。尾側には下丘ある。上丘+下丘=四丘体。 視蓋は視覚反射の中継所である。視覚と関係するので視蓋と呼ばれる。 対光反射、調節反射(見ている物が近づいたときにレンズを厚くしてピントを合わせる)、輻輳反...
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7-75 小児脳腫瘍

基礎知識 小児脳腫瘍の割合 : 星細胞腫(19.2%)、髄芽腫(11.7%)、胚腫(9.7%)、頭蓋咽頭腫(9.2%)、退形成性性細胞異種(5.5%)、上衣腫(4.7%)、膠芽腫(3.8%) 1984-2000年日本 小児の正常組織の放...
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7-03 高悪性度神経膠腫

基礎知識 組織型 グレード 退形成性星細胞腫(anaplastic astrocytoma) III 退形成性星細胞腫(anaplastic oligodendroglioma) III ...
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7-02 低悪性度神経膠腫

基礎知識 神経膠腫の亜分類: 星細胞系腫瘍、乏突起膠細胞系腫瘍、乏突起星細胞系腫瘍、上衣系腫瘍、脈絡叢腫瘍、その他 低悪性度神経膠腫の予後不良因子 EORTC : 年齢(40歳以上)、組織型(星細胞腫)、腫瘍径(6cm以上)、進展(...
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7-59 子宮体癌

基礎知識 子宮体癌は組織型や生物学的相違からtypeⅠとtypeⅡの2型に分類される typeⅠ(low-grade) : 全体癌の90%。エストロジェン過剰状態。内膜増殖症を合併。高分化~中分化型類内膜腺癌。予後良好(5y生存率86%...
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7-26 非小細胞肺癌

非小細胞肺癌は肺癌全体の80-85%を占める 治療方針 病期 治療方針 ⅠA 外科療法 ⅠB 外科療法+術後化学療法 IIA 外科療法+術後化学療法 IIB 外科療法...
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7-08 下垂体腫瘍

下垂体腫瘍は脳腫瘍の10-25%を占める 下垂体腫瘍の内訳: 下垂体腺腫、下垂体癌、頭蓋咽頭腫、転移性腫瘍など 下垂体腺腫はトルコ鞍内に発育し、増大に伴い海綿静脈洞などの周囲組織に浸潤性に発育する 治療方針は、機能性/非機能性(=内分泌障...
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6-01 低線量率

基礎知識 ブラキの語源: 短い、近い ブラキの代表的治療部位: 子宮、膣、口腔、静注咽頭、乳腺、皮膚、前立腺、気管支、食道、胆管、肛門、軟部組織など 分類 小線源治療は線量率によって3つに分類される。 分類 線...
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7-38 食道癌 頚部

頸部食道癌は症状が早期に出現しにくいため、進行癌が多い 外科手術では喉頭合併切除を避けられないことも多い 疫学・リスク因子 男女比 5.6:1 部位別: 頚部(5%)、胸部(88%)、腹部(5%) → 圧倒的に胸部に多い リスク因...
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4-2 医療用放射線発生装置と関連機器

外照射に使用される装置は3つに分類される。 (1) 放射性同位元素を使用するコバルト照射装置 (2) 電子線を加速する小型加速器 (3) 陽子線や重粒子線を加速する大型加速器 放射性同位元素を用いた装置に 放射性同位元素を用いた装...
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7-56 総論(婦人科腫瘍)

膣癌、外陰癌は高齢者に多く手術が難しい部位なので、RTの適応となることが多い 卵巣癌、体癌の標準治療は手術。 早期の子宮体がんでは外部照射+腔内照射による良好な局所制御の報告あり 子宮頸癌 Ⅰb-II期で腫瘍径4cm以下 → RT...
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7-21 聴器

基礎知識 聴器悪性腫瘍は耳介腫瘍、外耳道腫瘍、中耳腫瘍に分類される。 原発性内耳腫瘍の報告はない 聴器悪性腫瘍は組織学的には扁平上皮癌が大半 発生頻度は50万人に1人 日本では外耳道癌が多い 外耳道は外1/3は軟骨、内2/3は骨である ...
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7-89 肺転移

基礎知識 悪性腫瘍死亡の剖検にて肺転移は 54%に認める 肺転移手術の適応: 完全切除可能であること、耐術可能であること、原発巣が制御されていること、他病変がないこと International Registry of Lung M...
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7-20 眼球・眼窩腫瘍

基礎知識 視覚は先カンブリア時代末、約5億4300万年前に原資三葉虫が初めて獲得した 眼球は3層構造; 外層(角膜・強膜)、中間層(虹彩・毛様体・脈絡膜)、内層(網膜) 眼房水は水晶体、角膜内皮、角膜固有層の酸素・栄養を司る 中心窩を中...
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7-72 骨髄腫・形質細胞腫

基礎知識 骨髄腫は形質細胞(=成熟Bリンパ球)の腫瘍 骨髄腫は治療反応性は良好であるが、根治が難しい疾患である 好発年齢 60歳前後。40歳未満はマレ(2%未満) 骨髄腫は全悪性腫瘍の 0.7%(=脳腫瘍と同程度、喉頭癌より若干多い。)...
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7-62 総論(骨軟部腫瘍)

皮膚悪性腫瘍の分類 : (1)上皮系の皮膚癌(基底細胞癌、有棘細胞癌)と(2)メラノサイト系の悪性黒色腫、に分類される 骨軟部腫瘍 : 中胚葉由来組織(骨、な骨、筋肉、脂肪、血管など)、外胚葉由来組織(末梢神経)に分類される 病理組織...
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7-37 総論(消化管腫瘍)

消化器腫瘍は消化管腫瘍と肝胆膵腫瘍に2大別される 消化管も肝も耐容線量が通常分割法で50-60Gy程度と低いことがRTが第一選択となりえなかった理由 → IORTやNART、ARTなどが主に用いられてきた 消化器腫瘍のRTでは同時併用CR...
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7-27 Ⅰ期肺癌に対する定位放射線照射

基礎知識 体幹部定位照射は米国ではSBRT(Sterotactic body radiation therapy)、欧州ではESRT(Extracranial sterotactic radiotherapy)と呼ばれる。 SRTでは患...
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7-58 子宮頸癌術後照射

ざっくり言うと 欧米では手術適応はIIA期まで。日本ではIIBまでやる。 頸癌術後照射は生存改善のエビデンスがなく、晩期有害事象の発生率の高い治療である。本来、頸癌はPORTにすべきではなく、最初から根治cCRTを適応することが重要であ...
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7-51 低線量率(LDR)および高線量率(HDR)前立腺小線源治療

基礎知識 前立腺癌は発生から1cm大になるまで20-30年以上を要すると考えられている。その後腫瘍は倍加時間を徐々に短縮し10年以内に局所進行癌なる。 前立腺癌の進展。被膜外浸潤 → 神経血管束浸潤、精嚢浸潤、骨盤リンパ節転移 LD...
その他ウェブアプリ

Apache経由でFessにアクセスする

FESSはインストール後、ブラウザからTomcatに接続して使用できるようになっている。 具体的には、localhost:8080/fess/ のようにブラウザに入力すればよい。 しかしこのままでは、SSL通信や認証が使用できずセキュリ...
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7-73 白血病

基礎知識 小児ALL 長期生存率 80%以上 成人ALL 長期生存率 30-40% (APLは80%以上) 小児AML 長期生存率 50% 成人AML 長期生存率 30% CML 6yOS 90%以上 Philadelphia(+) A...
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7-85 血管異常に対する放射線治療

基礎知識 血管異常の分類 1) 正常の遺伝子配列で生じる病態 vascular malformation (血管奇形、血管異常) 2) 胚の発生過程の未分化な細胞に由来する血管腫 infantile hemangomas 3) 血管由来...
WordPressプラグイン

UpDraft Plusでスケジュールバックアップが動作しない

UpDraft Plusの公開している原因と対策のリストがある。 この中の解決策(4)を適応すればどんな原因だろうと動くはずという記載をネットで目にしたのでこれを実施。即ち、wp-config.php の末尾に下記1行を追加した。 de...
篠原2010

2-20 放射線治療の有害事象に対する漢方治療

障害 処方 放射線口内炎・咽頭炎・食道炎@RT単独 越婢加朮湯(28番)+猪苓湯(40番) 同 重症例 越婢加朮湯(28番)+猪苓湯(40番)+桔梗石膏 放射線口内炎・咽頭炎・食道炎@CRT...
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6-14 粒子線療法

基礎知識 重粒子線とは: 陽子線、速中性子線、負π中間子線、炭素イオン線など電子より重い粒子を加速した放射線の総称 重イオン線 : ヘリウムより重いイオンを加速した放射線の総称(ネオン、シリコン、アルゴン、炭素など) 臨床的には重粒子...
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7-83 ケロイド

基礎知識 ケロイドの多くは外傷後瘢痕やニキビから生じる ケロイドの治療 内科的療法(抗アレルギー薬内服、ステロイド局注)、物理療法(圧迫療法)、外科的療法(単純切除、植皮、レーザー照射) 放射線治療 照射対象は手術創。5-10m...
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7-82 総論(良性腫瘍)

基礎知識 良性疾患は悪性疾患に比べて患者の平均年齢が若い → 照射後余命が長いため晩期有害事象に細心の注意が必要 晩期優雅事象の出やすい臓器は、甲状腺、眼球、生殖腺、骨髄、乳腺など。防護に注意すべし。 ケロイドは有色人種に多い。黒人 &...
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6-13 陽子線治療

Bragg peak : 体表面ではあまり線量を出さず、到達飛程終端で一挙に線量を放出する物理的特性のこと 1998 日本初の陽子線治療@がんセンター東 陽子線のRBEはX線、コバルトγ線と同等の1.1。 ...
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7-69 非ホジキンリンパ節

基礎知識 RTの役割はWHO分類と予後予測指標によって異なる 一般に悪性リンパ腫に対するRTの局所制御率は高い(95%程度)。照射野内再発は少ない。 日本のNHLの発症率 年に人口10万人に21人 NHLの病因 : ウィルス、細菌、自己...
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7-66 原発性骨腫瘍

基礎知識 骨腫瘍はまれ。全悪性腫瘍による死亡の 0.1% 好酸球性肉芽腫症や血管腫はRT感受性が極めて高い Ewing肉腫もRT感受性が高い 高分化型を除く脂肪肉腫も比較的RT感受性が高い(50Gy以上の照射でほとんどの腫瘍消失が期待で...
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3-06 分割照射の基礎

放射線治療における4(5)R Repair Reassortment or Redistribution Repopulation or Regeneration Reoxygenenation Intrinsic radiosensi...
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7-88 骨転移

基礎知識 骨転移は担癌患者の30-70%に発生する 転移臓器(頻度順) 1:肺 2:肝 3: 骨 原発臓器 : 乳癌(50%)、前立腺癌(17%)、肺癌(11%) 骨転移疼痛の機序 (1) 骨に起因する疼痛 (2) 腫瘍の圧迫・浸潤によ...
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7-87 転移性脳腫瘍

基礎知識 転移性脳腫瘍は担癌患者の10-30%に発生する 脳転移の原発部位: 肺(50-60%)、乳癌(15-20%)、消化管(5-10%)、腎癌(5-10%) 脳転移の予後。 無治療:1ヶ月、BSC(ステロイド投与など):2ヶ月、RT...
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6-16 RI療法

基礎知識 RI療法に使用可能な放射線にはα線、β線、オージェ電子があるが、日常臨床で用いらているのはβ線のみ 疾患 RI療法 甲状腺癌 131I内用療法 褐色細胞腫・神経芽細胞腫などの悪性神経内...
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7-12 総論(頭頸部腫瘍)

分割方法 CF (Conventional fraction) : 70Gy/35Fr HF (Hyperfractionation) : 1回1.1-1.2Gyを1日2回、6時間以上感覚を開けて照射する。6時間あけることで正常組織の亜...
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