7-92 脊椎・脊髄転移

ざっくり言うと

  • 脊髄圧迫症候群に対しては基本RTをやって問題ないが、手術の方が明らかに優れる症例はしっかり手術にまわすべき(即ち長期予後、合併症重篤例)

  • 疼痛コントロール80%に比べ、歩行機能温存率は少し落ちる60-70%のイメージ

  • 早期治療開始が予後に重要
  • 短期照射より長期照射が安心であるが、疼痛緩和や歩行温存に関しては短期照射でも十分。1回照射なら再照射すればいいという考え方もあるだろう。

基礎知識

  • 脊髄圧迫症候群は全がん患者の約5%に生じる
  • 脊髄圧迫症候群 : 脊椎や脊髄の腫瘍により疼痛、脊髄障害(麻痺など)を主とする病態
  • 脊髄症症状(下肢脱力、知覚障害、膀胱直腸障害など)は緩徐に進行するものもあれば、数時間以内に麻痺が完成するようなものもある
  • 脊椎/脊髄転移は原則的には全例RT適応がある
  • 手術が優先される例
    • 長期予後が期待できる
    • 完全麻痺が生じて24時間以内
    • 椎体圧潰による骨性の脊髄圧迫症例
    • 高位頚髄レベルの症例
    • 悪性腫瘍の既往がなく病理診断の得られていない例
    • RTの既往があり再照射困難な例

放射線治療

  • 処方線量: 8Gr/1Fr/1d、20Gy/5Fr/1w、30Gy/10Fr/2w、37.5Gy/15Fr/3w、40Gy/20Fr/4wなど
  • 歩行機能温存率はいずれの分割方法でも有意差なし
  • 骨髄腫では短期照射(8Gy/1Frや20Gr/5Fr)は長期照射に比べて歩行機能温存率が不良
  • 局所制御率も短期照射(8Gy/1Frや20Gr/5Fr)が長期照射に比べて不良

併用療法

  • 禁忌でなければステロイドの全身投与を併用スべき
  • 頻用レジメンはデキサメサゾン(デカドロン)10-20mg iv → 1回4-6mgを1日4回、6時間ごとにiv or po → 反応を見ながらテーパー

治療成績

  • RTによる歩行機能温存率 60-70%
    • 歩行可能な状態で治療開始した場合 70-90%
    • 治療開始時既に歩行不能な場合 20-30%で歩行機能回復する
    • 完全対麻痺例での歩行機能回復率は 0-10%
  • 疼痛改善率は 60-80%
  • 手術の方が歩行機能温存率は良好 80-90%

有害事象

  • 同一部位への再照射では累積生物学的効果線量(α/β=2)が100-120Gy2であれば、重篤な晩期有害事象は認められなかったとの報告あり

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