- 頸部食道癌は症状が早期に出現しにくいため、進行癌が多い
- 外科手術では喉頭合併切除を避けられないことも多い
疫学・リスク因子
- 男女比 5.6:1
- 部位別: 頚部(5%)、胸部(88%)、腹部(5%) → 圧倒的に胸部に多い
- リスク因子: 喫煙、飲酒、Plummer-Vinson症候群、熱い飲食物、アカラシアなど。腺癌ではBarrett食道、GERDなど
- 日本では扁平上皮癌が多い(92-3%)。腺癌は1-2%。欧米では腺癌が多い。
解剖
- 食道は長さ25cm程度
- 頚部食道(Ce) : 輪状軟骨下縁(=食道入口部)~胸骨上縁(切歯から18cm程度まで)。長さ3-5cm
- 胸部上部食道(Ut) : 胸骨上縁から気管分岐部まで
- 胸部中部(Mt)、胸部下部(Lt)、腹部食道(Ae) : 気管分岐部から食道胃接合部までを2分して近位がMt、遠位がLtとAe(Aeは腹腔内の部分)
-
食道壁の組織: 粘膜上皮(EP) → 粘膜固有層(LMP) → 粘膜筋板(MM) → 粘膜下層(SM) → 固有筋層(MP) → 外層(Ad)
- 食道は全長・長軸方向に長いリンパ網を粘膜~筋層内に融資、広範なリンパ節転移のリスクを有する
- 頸部食道癌のリンパ節転移は、No101,102,104,106recに多い
病期分類
- 日本では粘膜病変(T1a)を粘膜上皮(EP)、粘膜固有層(LPM)、粘膜筋板(MM)、粘膜下層(T1b)を深さで3頭分してSM1,SM2,SM3に分類して治療方針を決定する
- 食道癌取扱い規約では
- 早期癌: 原発巣の壁深達度が粘膜内に留まる
- 表在癌: 壁深達度が粘膜下層内に留まる
- いずれもリンパ節転移の有無は問わない
治療方針
- 粘膜癌はEMRの適応
- 粘膜癌、遠隔転移(M1b)例以外の全ての症例で根治RTの適応あり
- 胸部食道癌ではT4でも切除対象となる。胸部食道癌ではならない。
- 根治を目指すならCRT(CDDPと5-FUを中心とする)が望ましい
放射線治療
- 予防域がある場合: 上縁として下顎骨下縁、下縁として気管分岐下の範囲で検討する
- 頸部食道癌は深頚リンパ節102への転移が多い
- 食道原発巣の顕微鏡的進展の94%は、肉眼的腫瘍範囲から3cm以内にとどまっていた。
- 処方線量:
- CRTでは40Gy → 脊髄遮蔽して50-60Gyまで。60-70Gy/30-35Fr
- RT単独では44-46Gy → 脊髄遮蔽して60-70Gyまで。50-60Gy/25-30Fr
- RTOG9405/INT0123ではCDDP+5-FUのCRTで50.4Gy/28Fr
併用療法
- CDDP 70-80mg/m^2、5-FUは 700-800m^2/日を4-5日間持続静注が多い
- CRTでは、4週間毎、2コース。
- その後の追加化学療法の施行の有無は様々。
治療成績
- RT単独: 5yLRC:25%、 5yDSS:22%、5yOS:15%
- CRT: 単一施設のretrospectiveなデータしかない。CR率 48-91%、5yOS:19-55%、mOS:19-55mosなどの報告有り
有害事象
- 急性期有害事象
- 放射線食道炎が必発 (30Gy程度から出現し、照射後2-3wで回復)
- 放射線肺炎
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晩期有害事象
- 食道潰瘍、穿孔、瘻孔形成、食道狭窄
- 放射線脊髄炎 など
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食道穿孔が懸念される場合、カバードステントや外科的処置で対応
- 照射前に食道狭窄解除目的でステント挿入するのは、侵襲により耐容線量が低下し重篤な合併症が生じうるため望ましくないとされる
- 脊髄はRT単独で44-46Gy程度、CRTでは40Gy以下に抑えるのが目安

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