6-01 低線量率

基礎知識

  • ブラキの語源: 短い、近い
  • ブラキの代表的治療部位: 子宮、膣、口腔、静注咽頭、乳腺、皮膚、前立腺、気管支、食道、胆管、肛門、軟部組織など

分類

  • 小線源治療は線量率によって3つに分類される。
分類 線量率
低線量率 (low dose-rate : LDR) 0.4-2.0Gy/hr
中線量率 (middle dose-rate :MDR) 2-12Gy/hr
高線量率 (hige-dose rate :HDR) 12Gy/hr以上
  • Pulsed dose-rate(PDR)はHDRをパスル状に照射してLDRの生物学的効果を狙うもの。日本では使用されていない。

  • 小線源治療は標的へのアプローチ方法からも分類される

分類 アプローチ
組織内(interstitial) 組織内に直接線源を刺入
腔内(intracavitary)、管腔内(intraluminal) 体腔内に線源を挿入
貼付(mould) 皮膚や粘膜に線源を密着させる
  • 線源挿入期間による分類: 一時的(temporary)刺入、永久(permanent)刺入

  • 後充填法式による分類 : 用手的(manual afterloading)、遠隔式(remote afterloading)

線源の特性

  • ラジウム-226(と娘核種 ラドン-222)、セシウム-137は過去のものとなった
  • 今日主に使用されるのはイリジウム-192、金-198(Au grain)、ヨード-125。
  • Ir-192の半減期は74日、Au-198の半減期は2.7日、I-125の半減期は59.4日。
  • 金グレインは永久刺入で用いられることが多い。
  • ヨード-125は超低線量率シード線源である。前立腺のほか、網膜のアイプラークとしても使用されうる。

線量計算 dosimetryの基本原理

  • 小線源治療の治療体積内の線量分布は非常に不均一である
  • 代表的なdosimetry systemとしてマンチェスター法とパリ法がある → コンピュータ計算により両者の線量計算の特徴の差は減っている

マンチェスター法(頸癌RALS)

  • 子宮内の線源長さは2cm、4cm、6cmの3種類がある
  • 原法ではtandem,ovoidの線源強度を決めている。A天には基本的に52cGy/hrが照射される
  • A点: 頸癌治療に必要な代表線量
  • B点:骨盤壁の推定線量
  • 実用的な指標:直腸線量 65Gy以下、膀胱線量 70Gy以下、直腸線量はA点線量の2/3

前立腺シード治療

  • I-125線源(国内販売)は11.1MBq、13.1MBq、15.3MBqの3種類
  • 挿入線源数は40-110個が目安
  • 線源強度は0.28-0.4mCi/個を用いる。小さめの前立腺(例10ml以下)では低め強度(0.28-0.34mCi)、大きめの前立腺(例30ml以上)では高めの強度(0.35-0.4mCi)を用いる。
  • 処方線量。 brachy単独:144Gy、外照射併用時は外照射40-50Gy + ブラキ100-110Gy(合計160Gy程度)
  • 処方線量、前立腺D90%、前立腺V100%を報告する
  • 治療目標: 前立腺のV100は95%以上、D90は100-130%、尿道最大線量 200Gy以下、直腸最大線量は処方線量以下

postimplant dosimetry(ポストプラン)

  • 目標値: 術後24時間以内ではV150%が 50-60%、V200%が20-30%。
  • U150(処方線量の150%が照射された尿道体積ml)、UD5、UD30もよく用いられる。
  • 直腸前壁の粘膜線量は処方線量の85%以下、最大120%以下。R150(処方線量の150%が照射される直腸体積)、R100の報告も一般的。

退出基準

  • I-125 : 体内残存放射能が1300MBq以下ないし体表面から1m離れた地点における1cm線量当量率が1.8μSv/h以下
  • Au-198 : 体内残存放射能が700MBq以下ないし体表面から1m離れた地点における1cm線量当量率が40.3μSv/h以下
  • I-125シードは挿入後1年以内に患者が死亡した場合、剖検により前立腺ごと線源を取り出すよう勧告されている
  • 線源脱落の確認目的もかね、I-125シードでは管理区域とした一般病病室に1日以上、Au-198グレインでは放射線治療病室に3日以上の入院が必要

コメント