7-69 非ホジキンリンパ節

基礎知識

  • RTの役割はWHO分類と予後予測指標によって異なる
  • 一般に悪性リンパ腫に対するRTの局所制御率は高い(95%程度)。照射野内再発は少ない。
  • 日本のNHLの発症率 年に人口10万人に21人
  • NHLの病因 : ウィルス、細菌、自己免疫疾患(Sjoegren症候群、橋本病、他)、化学薬品曝露(農薬など)、加齢関連遺伝子異常など
  • 染色体転座が病型に関連することが多いが、転座が病型を決定するわけではなく、また染色体転座単独では腫瘍化を引き起こさない

予後予測指標

  • IPI (international prognostic index)、Age adjusted IPI、濾胞性リンパ腫の(FLIPI : Follicular Lymphoma International Prognostic index)など
  • t(14;18)とMYC転座が同時に検出される高悪性度リンパ腫は薬物療法抵抗性であり予後1年以下

病期分類

  • ワルダイエル輪、胸腺、脾臓はリンパ組織である → 節外病変ではない(節性病変である)

治療効果判定

  • 改訂Cheson効果判定基準を用いる
  • CTで最大6個までの標的病変を選び、2方向の積和から縮小率を求める
  • 標的病変、非標的病変、骨髄浸潤の有無、新病変出現の有無から総合判定する

放射線治療

  • リンパ節病巣へ系統的リンパ系照射(EFRT; Extended Field Radiation Therapy) : 系統的にリンパ節領域を照射する。マントル照射野、逆Y字照射野、SLTI(Subtotal Lmphoid Irradiation) = マントル照射+傍大動脈+脾臓照射など
  • リンパ節領域照射(IFRT; Involved Field Radiation Therapy = Regional Field Radiation Therapy) : 病巣のあるリンパ節領域+進展予測範囲を照射
  • リンパ節照射 (INRT; Involved Node Radiation Therapy): リンパ節のみ。進展予測範囲を含めない。ホジキンリンパ腫に大してEORTCにより提唱されているもので臨床試験中。

  • 従来照射野が大きかったことから、 1.8Gy/日を基本とすることが多い

  • Indolent lymphomaは30-36Gyで十分
  • Aggressive lymphomaには薬物療法の効果やサイクル数にyろい 30-50Gy
  • T細胞リンパ腫にはB細胞よりやや大線量を処方する (10Gy程度)
  • 骨転移、腫瘤による気道圧迫・消化管圧迫・血管圧迫などに対しては、病理分類に関わらず4Gy 1-2回で緩和効果を得られる
  • TBI : 長SADもしくはSSC法による背臥位左右対向2門、スイープビーム法やビーム移動法、治療寝台移動法による前後対向2門照射など。総線量12Gyが一般的。
  • 晩期有害事象 : 二次発癌(治療後10年以降、特に乳癌、肺癌)。心血管障害、甲状腺機能低下症、歯牙障害など。

標準治療

  • Aggressive lymphomaにはCHOP療法が併用されることが多い
  • BLにはCODOX-M/IVAC療法
  • ATLにはVCAP-AMP-VECP療法
  • CD20陽性B細胞リンパ腫にはrituximab(マウス・ヒトキメラ型CD20モノクローナル抗体)

FL 濾胞性リンパ腫 Grade Ⅰ/II

  • 日本の悪性リンパ腫の10%
  • 濾胞中心B細胞リンパ球 Germinal center B cellに対応する腫瘍である
  • GradeⅠ、II、IIIの順に悪性度が高まる
  • 男女同率、中高齢者に好発
  • 無痛性リンパ節腫大が特徴
  • 進行期が80%、限局期が20%
  • 染色体転座t(14;18) bcl-2遺伝子陽性は化学療法抵抗性に9関連し、これが骨髄、末梢血から消滅することは治療後長期生存の指標である
  • 緩徐に進行、進行期でもmOS 8-12年と長期生存が期待できる
  • 一方で真の治癒は困難
  • 死因の第1位は原病死
  • 再燃疑いの際は、必ず生検し、組織学的に悪性転化(Transformation)の有無を調べなくてはならない
  • 再燃後のmOS は 5年
  • 限局期 StageⅠ、IIの10yOS は50-80%
  • 30-36Gyを超える線量を照射しても治療効果の向上がない。一般に低悪性度に40Gy以上の照射は不要とのコンセンサスがある
  • 通常病巣は30Gy、巨大病巣(bulky lesion)には6Gy追加照射が基本
  • RT後 照射野内再発5%、他領域リンパ節再発が 80%(隣接リンパ節領域が 40-50%)、骨髄例は10%以下
  • 照射野拡大は局所制御率を高めるが全生存への寄与は認めない
  • 進行期の標準治療は未確立

辺縁帯B細胞リンパ腫(Marginal Zone B-Cell Lymphoma MZBCL)

  • 日本の悪性リンパ腫の17%
  • 節外性辺縁帯B細胞リンパ腫、節性辺縁帯B細胞性リンパ腫、脾臓辺縁帯B細胞リンパ腫の3亜型がある
  • やや女性に多く、中高齢者に好発
  • 限局期(80%)、進行期(20%)
  • 限局期でも無治療経過観察すると全身播種して現病死する → 局所治療が必要
  • RT 局所制御率 97%、5yDFS 70-90%、小線量 18-36Gyで治療可。
  • 標的体積はリンパ節領域。
  • リツキシマブなどの薬物療法奏効率は 50-70%

DLBCL びまん性大細胞B細胞リンパ腫 (Diffuse larger B-cell lymphoma , Follicular lymphoma GradeIIIを含む)

  • DLBCLは単一疾患ではなく、リンパ腫群である
  • 遺伝子発現プロファイル解析から、germinal center B-like、activate B-like、type3 の2-3群に分けられる
  • 日本の悪性リンパ腫の 35%
  • StageⅠA、IIAの標準治療 CHOP or R-CHOP 3-6サイクル → 地固め 30-50Gy
  • StageⅠ、IIの5y生存率は 70-85%
  • 薬物療法単独の再発率は 40%、追加照射で 60-70%再発予防が可能
  • RT単独の場合 5y生存率 50%
  • 薬物療法語の残存腫瘍や巨大病巣への追加照射の生存への意義にはコンセンサスなし

マントル細胞リンパ腫

  • 日本の悪性リンパ腫の2-3%
  • 男性に多い、高齢者に多い
  • 診断時に進行期のもの、白血化しているものも少なくない
  • mOS 3年
  • 標準治療未確立

バーキットリンパ腫 Burkitt’s lymphoma

  • CD20(+)、CD10(+)、c-myc(+)、Ki-67(+)、BCL2(-)
  • 薬物療法後に予防的全脳照射を追加する(∵CNS再発が多い)
  • 血液幹細胞移植前処置としてTBIを実施する

末梢T細胞リンパ腫 Peripheral T-cell lymphoma unspecified (未分化大細胞リンパ腫 : Anaplastic large cell lymphoma) (血管免疫芽球性T細胞リンパ腫 : angioimmunoblastic T-cell lymphoma)

  • 日本の悪性リンパ腫の15%(まれではないが、多様な疾患の寄せ集めであり研究が進んでいない)
  • B細胞リンパ腫より予後不良
  • 標準治療未確立
  • DLBCLに準じて治療
  • 処方線量はB細胞リンパ腫+10Gy程度

成人T細胞性リンパ腫 Adult T-cell leukemia lymphoma

  • HTLV-1感染に関連
  • 局所RT感受性高い
  • 高Ca血症や白血病化しやすく難治性
  • DLBCLに準じて治療
  • 処方線量 40-60Gy程度

前駆B/Tリンパ芽球性リンパ腫

  • 移植前前処置としてTBI

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