7-59 子宮体癌

基礎知識

  • 子宮体癌は組織型や生物学的相違からtypeⅠとtypeⅡの2型に分類される
  • typeⅠ(low-grade) : 全体癌の90%。エストロジェン過剰状態。内膜増殖症を合併。高分化~中分化型類内膜腺癌。予後良好(5y生存率86%)。浅い筋層浸潤が 70%、リンパ節転移 9%。しばしば肥満、高脂血症、糖尿病を合併。
  • typeⅡ(high-grade) : 全体癌の10%。低分化型類内膜腺癌や非類内膜腺癌(漿液性腺癌、明細胞性腺癌など)。内膜は萎縮。深い筋層浸潤が66%、リンパ節転移28%、5y生存率 59%。しばしば多産、高齢、非肥満。
  • 子宮体癌は底部が好発部位。病巣は子宮全体に広がる。

子宮内膜増殖症

  • エストロゲン依存性病変、子宮内膜過剰増殖状態
  • 同時または後に子宮内膜腺癌を併発することがある
  • 単純型/複雑型、細胞異型の有無で4型に分類される。(単純型子宮内膜増殖症、複雑型子宮内膜増殖症、単純型子宮内膜異型増殖症、複雑型子宮内膜異型増殖症)
  • 複雑型子宮内膜異型増殖症は0期子宮体癌に相当する

類内膜腺癌 endometorioid carcinoma

  • 体癌の90%
  • タモキシフェン長期使用は子宮体がんのリスク
  • 分化度(grade)は腺管部分と充実部分の割合から3つに分類される
  • 核異型が強いと分化度は1つ低下する
  • Gradeが高い(=分化度が低い)と筋層浸潤が深い傾向がある → Gradeと病期には相関関係あり

非類内膜腺癌 nonendometorioid carcinoma

  • 漿液性腺癌、明細胞腺癌、粘液性腺癌、未分化癌が最も典型的

予後因子

  • 最も重要な予後因子は病理学的病期
  • PALN、PELN、組織液、Grade、浸潤の深さ、脈管侵襲(LVSI)など

臨床症状

  • 子宮内膜腺癌の75%は閉経後の不正性器出血や帯下を呈する
  • 症例の大部分(65%)はⅠ期

診断

  • 体癌患者の90%に不正性器出血あり
  • 経膣エコーで内膜の厚みが5mm以下の場合、子宮内膜腺癌のリスクは低い

治療方針

  • Ⅰ-Ⅲ期: 根治手術の適応
  • Ⅳ期: RTの適応 (inoperable)

放射線治療

  • 術前照射、術後照射、根治照射がある
  • 根治照射の処方線量 : 外部照射は20Gy-30Gy施行 → 中央遮蔽して総線量 45-50Gy。腔内照射は子宮全体に40-60Gy
  • 術後照射の処方線量 : 外照射 45-50Gy/4.5-5w、膣断端への腔内照射併用時は20-30Gyで中央遮蔽。
  • 術後照射は外照射が主体。総線量は 45-50Gy。WPRTによる骨盤内制御は良好。
  • 術前照射は腔内照射が主体。Ⅰ期: ICRT 40-60Gy/2-3Fr。Ⅱ期: ICRT 30-50Gy/2-3Fr + EBRT 40Gy(WPRT 20Gy+CS20Gy)

術式

  • 日本: 単純or準広範子宮全摘術 + 骨盤(および傍大動脈)リンパ節郭清 + 腹腔細胞診検査のための腹水あるいは腹腔洗浄液採取
  • 欧米: 単純子宮全摘術が多い

化学療法

  • 日本ではTC療法が一般的(カルボプラチン+パクリタキセル)

治療成績

  • 根治照射 の5年生存率
病期 5年生存率
Ⅰ期 50-100%
Ⅱ期 26-100%
Ⅲ期 0-37.1%
Ⅳ期 0-20%
  • 術後照射(国際医療センタ+女子医大)
病期 なにかは不明、成績とのみ記載
Ⅰ期 65-83%
Ⅱ期 65-100%
Ⅲ期 53%
Ⅳ期 50%

有害事象

  • 頸癌とほぼ同様

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