7-89 肺転移

基礎知識

  • 悪性腫瘍死亡の剖検にて肺転移は 54%に認める
  • 肺転移手術の適応: 完全切除可能であること、耐術可能であること、原発巣が制御されていること、他病変がないこと

International Registry of Lung Metastasisの予後分類

グループ 完全切除 リスク因子 生存期間中央値(月)
可能 なし 61
可能 1つ 34
可能 2つ 24
不可能 14
  • リスク因子: (1)無病期間が36ヶ月未満 (2)複数個の肺転移

がん診療ガイドラインにおける肺転移治療に関する記載

  • 大腸癌、腎癌、頸癌、体癌では積極的な切除を考慮する。切除を考慮すべきでないとされているのは乳癌。
ガイドライン 発行年 記述
大腸癌診療ガイドライン 2009 肺転移の治療には、肺切除と化学療法がある。肺転移巣の切除が可能であれば肺切除を考慮する。耐術不能な場合でも、原発巣と肺外転移が制御されているか、制御可能で、肺転移個数が3-4個以内であれば定位放射線治療も考慮する。
腎癌診療ガイドライン 2007 転移巣を有する腎細胞癌症例の転移巣に対する外科治療は、Perfomance statusr良好で、転移巣が肺・副腎などでは生存率の延長が期待される。
乳癌診療ガイドライン(外科療法) 2008 乳癌の転移は多発肺転移及び多臓器への転移が多く、生存の延長に寄与するエビデンスはないため、生存延長を目的とした外科的切除をすべきではない。
子宮頸癌治療ガイドライン 2007 他部位に再発・転移を認めない局所性の再発巣(2-3個以下)に対しては、部位により手術や放射線療法が選択される(Grade C)
子宮体癌治療ガイドライン 2006 切除可能で、他に転移を認めない症例に関しては積極的な外科切除を考慮する。その大きさが4cm以下の肺転移であれば、肺部分切除を考慮する(Grade C)

放射線治療

  • 肺転移に対するSRTの目的は生存期間延長である
  • 肺転移に対する定位放射線照射の保険適応
    (1) 転移病巣が直径5cm以内
    (2) 転移個数が3個以内
    (3) 他病巣がない

  • 肺転移巣は原発性肺癌より境界明瞭な結節として同定されることが多い → contourしやすい

  • 処方線量 56Gy/4Frなど
  • 局所制御率: 80-90%
  • 有害事象: 放射性肺臓炎(G3以上は数%、照射後5ヶ月頃の出現が多い)、皮膚・胸壁有害事象、喀血、食道炎など

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