7-64 悪性黒色腫

基礎知識

  • 悪性黒色腫はメラノサイトががん化したもの
  • 人種間で発生頻度や好発部位に差がある
  • 発生頻度(人口10万人あたり) 白人:15、日本人:2、黒人:0.5
  • 日本での悪性黒色腫の年間死亡者数は 500人前後
  • 好発年齢 : 60-70歳にピーク。30-50歳代もまれではない。20歳未満は非常にマレ。
  • 好発部位; 足底(30%)、顔面・頭頸部(14%)、体幹(13%)、下肢(12%)、手・手指(9%)
  • 病理分類: ①末端黒子型黒色腫②表在拡大型黒色腫③結節型黒色腫④悪性黒子型黒色腫
  • 紫外線や反復する機械的刺激がリスクファクターと考えられている

症状

  • 臨床的診断基準(ABCD診断基準)
英語 日本語
Asymmetry 非対称性形状
Border irregularity 不規則な形
Color variegation 多彩な色調
Diameter enlargement 直径6mm以上
  • 転移は所属リンパ節、肺、骨、肝、脳、皮膚に多い
病期 5年生存率
95-100%
II 70-80%
III 40-60%
IV 8%(皮膚転移のみで比較的長期生存する例がある、内臓転移例ではほぼ0%)
  • 粘膜原発例は皮膚原発例より予後不良

病期分類

  • T因子は腫瘍の厚みと腫瘍表面の潰瘍の有無で分類される

治療方針

  • 悪性黒色腫は放射線感受性が低い → 原発巣は手術が基本。ほとんどの場合RTはPORTであるが、ぶどう膜悪性国主では小線源治療や粒子線治療が第一選択となりうる
  • 実臨床的にはRTは緩和照射が大半である
  • 頭頸部など手術切除困難な部位や、リンパ節転移高リスク例ではPORTを考慮する

放射線治療

  • 悪性黒子または悪性黒子黒色腫に対して 30-35Gy/5Fr、45Gy/10Fr、50Gy/15-20Fr、100Gy/10Frなど
  • 頭頸部粘膜悪性黒色腫 1回3Gy以上の光線量で 54Gy以上(BED換算118Gy以上)。陽子線では70Gy/20Fr
  • リンパ節覚醒後の予防照射 30Gy/5Fr/週2回が多い
  • 骨転移は 20Gy/4Fr
  • 脳転移は 30Gy/10Fr

併用療法

  • 悪性黒色腫に対する術後療法として、Feron(IFN-β)療法、DAV(DTIC,ACNU,VCR)-Feron療法、DAC-Tam(DTIC,ACNU,CDDP,TAM)療法など

治療成績

  • 悪性黒色腫に対するRT単独の局所制御率で86-100%の報告あり
  • 脈絡膜悪性黒色腫に対して5年LC 96%、5y生存率 80%、5年後眼球温存率 90%の報告あり(マサチューセッツ総合病院)
  • 手術不能例、再発例に対する重粒子線治療で 5年局所制御率84%、2年生存率 50%、3年生存率 46%、5年生存率 27%の報告あり(非常に良好な局所制御率であるが生存の改善なし)

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