基礎知識
- 転移性脳腫瘍は担癌患者の10-30%に発生する
- 脳転移の原発部位: 肺(50-60%)、乳癌(15-20%)、消化管(5-10%)、腎癌(5-10%)
- 脳転移の予後。 無治療:1ヶ月、BSC(ステロイド投与など):2ヶ月、RT:4ヶ月
- 予後分類: RTOGのRPA(Recursive partition analysis)が基本
- RTOGのRPAは組織型によらず有効
- 定位照射時代には新たな予後分類SIR(the Score index for Radiosurgery in Brain Metastases)も使用されている。脳転移個数や腫瘍体積も因子に含んでいる。
- (コメント) RPAはWBRT時代(SRI以前の時代)のものであり、それ故、頭蓋内の腫瘍個数/体積に関心が払われていないのかもしれない。
RPA
| RPAスコア | 因子 | 生存期間中央値 |
|---|---|---|
| 1 | 下記全てを満たす。KPS => 70, Age < 65, 原発巣制御、頭蓋外病変なし | 7-20m |
| 2 | その他 | 4-7m |
| 3 | KPS < 70 | 2-3m |
放射線治療
- 初回治療としてWBRTを行わずSRIのみのを行う施設が増えている
WBRT単独 vs WBRT+局所治療(手術/STI)
- WBRTを中心に考えた場合。脳転移個数が1個かつ全身状態良好な場合には、全脳照射に局所治療(手術orSRI)を加える意義がある。2個以上の場合には局所治療追加による予後改善のエビデンスはない
定位照射単独 vs 定位照射+WBRT
- 初回治療としてWBRTを省略しても生存期間には影響なし。頭蓋内再発は2-3倍に増加する。
- 中枢神経死因率は日本と欧米の報告で相違あり。日本ではWBRT省略しても中枢神経死が増えなかったが、欧米では増えた。日本のMRIフォローが頻回で救済がうまくいっているため?
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非常に頻回なMRIフォローを行えば、STI単独は標準治療足りうるかもしれない。
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かつては「線量増加は予後を改善する」という仮説があったが、RTOGの検討でこの仮説は否定され 30Gy/10Frが標準となった。更に晩期有害事象を減らすには1回線量低下2.5Gy(総線量 35-37.5Gy)、2.0Gy(総線量 36-40Gy)も考慮が必要。PCIでは25Gy/10Frが使用される。
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STIでは腫瘍の「辺縁線量」を記載するのが一般的である。これはGKにアイソセンタという概念がなかった時代の名残である。
- リニアックSTIではアイソセンタ指示線量の80%等線量曲線で腫瘍の「辺縁」をカバーするように作成するのが一般的
- SRS(GK)での照射線量 : 腫瘍最大径ごとに 2cm以下(24-25Gy)、2-3cm(16-18Gy)、3-4cm(12-15Gy)が一般的
有害事象
- 軽度の宿酔、頭痛
- 脱毛ほぼ必発 (通常2-3ヶ月で生えてくる)
- 白質脳症による認知機能低下 : 3-5% (長期生存で発症率↑、有効な治療手段なし)
- GKでは治療後8-48時間後に痙攣発作が起きることがある → リスク奨励では抗けいれん薬予防投与が推奨される
- 放射線脳壊死(照射後6ヶ月-2年に3-5%) ステロイド治療、HBO、手術など。

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