ざっくり言うと
- 軟部肉腫は小円形腫瘍とその他に分ける
- 肺転移が多く、リンパ節転移が少ない
- 手術が治療の中心で放射線はその補助。
- 手術+RTで高率 80-90%の局所制御が可能。
- EBRTの線量は術前で50Gy、術後で60(ew(-)) or 66Gy(ew陽性)程度。術後の方が多い、術前だと乳癌、術後だと頭頸部程度。
基礎知識
- 発生率(日本): 10万にあたり2-3人
- 中高齢者の発症が多い(円形細胞肉腫を除く)
- 発生部位は臀部以下が過半数。大腿部(3-4割)、下腿(1割)、臀部(5%)、上腕(5%)、膝(5%)、背部(5%)。
- 主症状は無痛性の局所腫瘤
- 転移は血行性の肺転移が多い。
- 診断時にN(+)、M(+)の例は全体の10%未満
- 初回原発巣治療後に遠隔転移が生じる場合の、発生までの期間の中央値は約1年、多くは2年以内だが5年以上の転移もまれとは言えない。
- 腫瘍の周囲組織には反応性の線維組織(偽膜)が存在することがある → 腫瘍は偽膜を超えて浸潤することがある → 画像上、境界明瞭な腫瘤と報告されても実態はそうでないことがあるので要注意
組織型と病期分類
- 組織型は極めて多彩であるが、臨床上(=治療方針決定上)は、(1) 小円形細胞腫瘍と(2) 非円形細胞肉腫に分類される。
| 分類 | 代表的組織型 | 特徴 |
|---|---|---|
| 小円形細胞腫瘍 | 横紋筋肉腫(多形型を除く)、骨外性Ewing肉腫など | 化学放射線治療への反応性が良好。小児に好発する腫瘍を含む。 |
| 非円形細胞肉腫 | 悪性線維性組織球症、脂肪肉腫、滑膜肉腫、平滑筋肉腫、線維肉腫、多形型横紋筋肉腫など | 小円形細胞腫瘍と比べ四肢に発生する割合が高い |
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AJCC Grade分類
Grade 内容 1 高分化 2 中文化 3 低分化 4 未分化 -
肺転移の有無が生命予後に強く相関する
- 遠隔転移のリスクはGradeによって異なる。診断後5年までの遠隔転移発生割合は低悪性度腫瘍で10%未満、高悪性度腫瘍では50%。
- リンパ節転移は10%未満(上皮性腫瘍に比べて少ない) → リンパ節郭清術は行わない
- 局所再発リスク因子は不完全切除や断端陽性
治療方針
- 手術が主体
- StageⅠで治癒切除可能 → 手術単独
- StageII、III → 手術、RT、化学療法の集学的治療
- StageIV → 化学療法が主体
- 化学療法はアントラサイクリン系(ドキソルビシンとエピルビシン)とイホスファミドが伝統的に使用されているが、評価は定まっていない
放射線治療
- 外照射(術前、術中、術後)、小線源治療(周術期)がある
- NCCNは術前照射の利点を認めているが、創部有害事象を減らすために手術まで3-6週をあける必要があると述べる
- 術中照射は電子線で20-25Gy
- 手術なしでのRT、CRTのみでは局所再発率が非常に高い
- 術後照射で創部を含める場合、皮膚直下の線量低下を防ぐために6MV以下の低エネルギーのものを用いる、ボーラス併用を検討する
- 50Gy以上、骨が全周性に照射された場合、骨折のリスクが高まる
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長軸方向に5cm以上、短軸方向に2cm以上のCTVマージンが必要
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処方線量
照射方法 処方線量 術後照射 45-50Gy → boostして総線量 60Gy以上。断端陽性では66-68Gy。 術前照射 45-50Gy。術後断端陽性時は術後に16-20Gy追加 術中照射 電子線12-25Gy → 外部照射36-50Gy追加 小線源治療+外照射 12-25Gy → 外部照射36-50Gy追加 小線源単独(高線量率組織内照射) 42-50Gyを1日2回照射で10回にわけて
治療成績
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手術+RTでの局所制御率 : 80-90%
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低悪性度、広範切除例での5y生存割合
| グレード | 5y生存割合 |
|---|---|
| Ⅰ | 90%以上 |
| II | 70% |
| III | 40% |
| IV | 長期生存例は少ない |
有害事象
- 手術創部有害事象は術前照射で多い > 術後照射
- 組織の線維化は術後照射で多いとの報告有り

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