基礎知識
- 骨髄腫は形質細胞(=成熟Bリンパ球)の腫瘍
- 骨髄腫は治療反応性は良好であるが、根治が難しい疾患である
- 好発年齢 60歳前後。40歳未満はマレ(2%未満)
- 骨髄腫は全悪性腫瘍の 0.7%(=脳腫瘍と同程度、喉頭癌より若干多い。)
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初発症状は骨痛(腰痛や背部痛)が多い。
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骨髄腫の病型分類(病変の広がりから)
| 分類 | 内容 |
|---|---|
| 多発性骨髄腫(multiple myeloma) | 2箇所以上の骨髄に病変を認める |
| 孤立性形質細胞腫(isolated plasmacytoma of bone) | 1箇所の骨髄のみに病変が限局。全骨髄腫の2-10%。椎体、骨盤に好発。 |
| 髄外性形質細胞腫(extramedullary plasmacytoma) | 骨髄以外の軟部組織で形質細胞が腫瘤を形成する。全骨髄腫の1%。上咽頭、扁桃、副鼻腔に好発。 |
| 形質細胞性白血病(plasma cell leukemia) | 腫瘍細胞が末梢血中で20%以上を占める |
- 骨髄腫の進展度による分類
| 分類 | 内容 |
|---|---|
| 定型性骨髄腫(overt myeloma, active or symptomatic myeloma) | 骨髄中の腫瘍細胞が 10%以上。M蛋白も多い。 |
| 無症候性骨髄腫(asymptomatic or indolent myeloma) | 無焼香。2-3年で定型性骨髄腫と進展することが多い。 |
| くすぶり型骨髄腫(smoldering myeloma) | 無症状。通常5年以上は非進行性。治療不要。 |
- MGUS (monoclonal gammopathy of undetermined significance) 無症候性のM蛋白血症。骨髄中形質細胞は10%未満で骨病変はないもの。MGUSの約10%が10年で骨髄腫へと移行する。
病期分類
- International Staging System (2003)を用いる。β2-microglobulinとアルブミン量でⅠ-IIIの3期に分類する。mOSはⅠ期:62ヶ月、II期:44ヶ月、III期:29ヶ月。
- 最近では染色体異常による分類も行われている。
治療方針
- 化学療法の導入で予後が著しく改善したが、10年生存割合は未だ3%と難治性
- 導入療法: デキサメサゾン単剤、ビンクリスチン、アドリアマイシン、デキサメサゾン併用VAD療法、MP療法(メルファラン+プレドニゾロン)など。
- MP療法にサリドマイドやボルテゾミブを追加する意義があるが、日本ではまだ導入療法としての保険適応がない。
- 化学療法には導入療法(可能な限り腫瘍細胞を減少させる)と維持療法(導入療法の効果を維持する)がある。
- 導入療法失敗例、増悪・再発時には大量化学療法や同種幹細胞移植を考慮
- 無症候性およびくすぶり型は経過観察
放射線治療
- 根治RTの対象: 孤発性形質細胞腫と髄外性形質細胞腫。
- 孤立性形質細胞腫や髄外性形質細胞腫 40-50Gy/20-25Fr/4-5w
- 骨髄腫の骨痛に対する緩和照射 10-20Gyで十分
- 半身照射(病変が広範囲に広がり疼痛の責任病巣が同定困難である場合) 上半身 6-7.5Gy程度、下半身 8-10Gy程度
- 半身照射通常の外照射よりも早期に疼痛緩和が期待できる(照射後24-48時間後)が、骨髄抑制が大きな問題
- Sr-89は骨髄腫では高い効果は期待できない(骨増生活性が低いため)
- 骨折予防・脊髄圧迫解除・神経根症状軽減目的 : 30-36Gy/15-20Fr
- 骨髄腫の移植における全処置としてTBIの意義は否定的である
併用療法
- ビスホスホネートと化学療法の併用が推奨
標準治療成績
- 孤立性形質細胞腫 ; RT局所制御割合:90%以上。骨髄腫への移行:半数以上。10y生存割合:50-70%。
- 髄外性形質細胞腫 ; RT局所制御割合:90%以上。骨髄腫への移行:30%。10y生存割合(無増悪生存割合):70-87%。

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