7-51 低線量率(LDR)および高線量率(HDR)前立腺小線源治療

基礎知識

  • 前立腺癌は発生から1cm大になるまで20-30年以上を要すると考えられている。その後腫瘍は倍加時間を徐々に短縮し10年以内に局所進行癌なる。
  • 前立腺癌の進展。被膜外浸潤 → 神経血管束浸潤、精嚢浸潤、骨盤リンパ節転移

LDR-BT

  • 生検の陽性本数はT-stageに相当するものと考えられている。GSが増加するにつれ正確な腫瘍サイズの反映となるようである。
  • PPB(percent positive biopsy)
  • TURPはBTの禁忌と考えられてきたが、peripheral loading以降、尿失禁の頻度は低く(数%)なり、必ずしも禁忌ではなくなっている
  • 前立腺体積が大きすぎるとPAI (Pubic arch interference)のため前立腺腹側への刺入が困難となり、線量分布が不適切になるおそれがある
  • 日本では40cc以上の前立腺体積では病室からの退室基準 1300MBq/hr・m (およろ90-100個以上)に該当するおそれがある
  • 高リスクになるほど線量増加の恩恵を受ける
  • 低リスク群: LDR BTの最もよい適応は低リスク群。72Gy以上の外照射や外科手術と同等の成績と考えられている
  • 中リスク群: GS4+3と3+4は予後が違う。4+3はBT+EBRTによる線量増加、3+4ではBT単独が行われる傾向にある。EBRTやHTの上乗せ効果についてはエビデンスがない。
  • 高リスク群: 高リスク群に対するLDR BTは成績不良。ホルモン上乗せ効果の有無には結論が出ていない。
  • 有害事象: 疼痛、排尿障害、尿閉、血尿、頻尿など。尿路閉塞性症状は患者の~10%に出現するが、BT後6-12ヶ月で回復する。尿閉は1-3日で解消する。直腸障害は1-5%程度。

勃起不全率(各種モダリティの比較)

  • Robinsonらのmeta-analysisによる
  • BT単独 24%
  • BT+EBRT 40%
  • EBRT単独 45%
  • 神経温存(+)RP 66%
  • 神経温存(-)RP 75%
  • 凍結治療 87%

BT後再発

  • 各種報告を総合すると、放射線を用いた根治治療におけるPSAの絶対値による治癒は治療後5年の時点で0.2ng/ml未満を持続していること、と考えられている。これは術後治癒と同じ基準である。
  • ASTROガイドラインに比べPhoenix基準では8ヶ月早く再発を定義する。
  • Phoenix基準による判定の難しさはPSA bounceの除外にある。
  • PSA bounceの定義にはコンセンサスはない。
  • PSA bounceの発症時期 9-30ヶ月(中央値:18ヶ月)であり、持続期間は6ヶ月以内が65%、82%の患者でそのピークは1.0ng/ml以下。
  • RT後のPSA再発の中央値は治療後2年以降 → 少なくとも治療後2年間はPSA failure と診断することに慎重になるべき。

HDR-BT

  • α/β比の低い前立腺癌では放射線生物学的にLDRよりHDRの方が有利と考えられている。
  • 現在は2分割が標準的
    • EBRT: 45Gy,1.8Gy/fr ~ 30~33Gy, 3.0Gy/fr
    • HDR: 4~15Gy/fr x2 ~ 4fr/1~2days → 20~22Gy/2fr/ 1~2days
  • 中~高リスクではHDR+EBRTに短期ホルモン併用の上乗せ効果は示されなかった。

まとめ

  • 小線源治療はLDRの方がHDRよりエビデンスが豊か
  • LDR BTは低リスクに向く。高リスクには明らかに向かない。
  • BTに短期ホルモン治療の上乗せ効果の有無は不明である。少なくとも有用性は確立していない。
  • BTの有害事象は尿道に多い。外照射同様の直腸の問題もある。

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