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7-51 低線量率(LDR)および高線量率(HDR)前立腺小線源治療
篠原2010
2015.07.21
基礎知識
- 前立腺癌は発生から1cm大になるまで20-30年以上を要すると考えられている。その後腫瘍は倍加時間を徐々に短縮し10年以内に局所進行癌なる。
- 前立腺癌の進展。被膜外浸潤 → 神経血管束浸潤、精嚢浸潤、骨盤リンパ節転移
LDR-BT
- 生検の陽性本数はT-stageに相当するものと考えられている。GSが増加するにつれ正確な腫瘍サイズの反映となるようである。
- PPB(percent positive biopsy)
- TURPはBTの禁忌と考えられてきたが、peripheral loading以降、尿失禁の頻度は低く(数%)なり、必ずしも禁忌ではなくなっている
- 前立腺体積が大きすぎるとPAI (Pubic arch interference)のため前立腺腹側への刺入が困難となり、線量分布が不適切になるおそれがある
- 日本では40cc以上の前立腺体積では病室からの退室基準 1300MBq/hr・m (およろ90-100個以上)に該当するおそれがある
- 高リスクになるほど線量増加の恩恵を受ける
- 低リスク群: LDR BTの最もよい適応は低リスク群。72Gy以上の外照射や外科手術と同等の成績と考えられている
- 中リスク群: GS4+3と3+4は予後が違う。4+3はBT+EBRTによる線量増加、3+4ではBT単独が行われる傾向にある。EBRTやHTの上乗せ効果についてはエビデンスがない。
- 高リスク群: 高リスク群に対するLDR BTは成績不良。ホルモン上乗せ効果の有無には結論が出ていない。
- 有害事象: 疼痛、排尿障害、尿閉、血尿、頻尿など。尿路閉塞性症状は患者の~10%に出現するが、BT後6-12ヶ月で回復する。尿閉は1-3日で解消する。直腸障害は1-5%程度。
勃起不全率(各種モダリティの比較)
- Robinsonらのmeta-analysisによる
- BT単独 24%
- BT+EBRT 40%
- EBRT単独 45%
- 神経温存(+)RP 66%
- 神経温存(-)RP 75%
- 凍結治療 87%
BT後再発
- 各種報告を総合すると、放射線を用いた根治治療におけるPSAの絶対値による治癒は治療後5年の時点で0.2ng/ml未満を持続していること、と考えられている。これは術後治癒と同じ基準である。
- ASTROガイドラインに比べPhoenix基準では8ヶ月早く再発を定義する。
- Phoenix基準による判定の難しさはPSA bounceの除外にある。
- PSA bounceの定義にはコンセンサスはない。
- PSA bounceの発症時期 9-30ヶ月(中央値:18ヶ月)であり、持続期間は6ヶ月以内が65%、82%の患者でそのピークは1.0ng/ml以下。
- RT後のPSA再発の中央値は治療後2年以降 → 少なくとも治療後2年間はPSA failure と診断することに慎重になるべき。
HDR-BT
- α/β比の低い前立腺癌では放射線生物学的にLDRよりHDRの方が有利と考えられている。
- 現在は2分割が標準的
- EBRT: 45Gy,1.8Gy/fr ~ 30~33Gy, 3.0Gy/fr
- HDR: 4~15Gy/fr x2 ~ 4fr/1~2days → 20~22Gy/2fr/ 1~2days
- 中~高リスクではHDR+EBRTに短期ホルモン併用の上乗せ効果は示されなかった。
まとめ
- 小線源治療はLDRの方がHDRよりエビデンスが豊か
- LDR BTは低リスクに向く。高リスクには明らかに向かない。
- BTに短期ホルモン治療の上乗せ効果の有無は不明である。少なくとも有用性は確立していない。
- BTの有害事象は尿道に多い。外照射同様の直腸の問題もある。
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