疫学辞典

研究デザイン

院内コントロール

定義院内コントロールとは、ケース・コントロール研究 において、ケースと同一の病院に通院/入院している患者から選ばれたコントロール群のこと。院内コントロールはアクセスのしやすさから、臨床研究において頻用される。
疫学指標(因果的効果)

寄与割合 (attributable fraction)

定義寄与割合(attributable risk)とは、要因ありの群の中で発生したイベントの何割がその要因によって起きているのかを示す指標である。R1(要因ありの群のリスク)、R0(要因なしの群のリスク)とした時、寄与割合 = (R1 - ...
疫学指標(疾病発生)

イベント関連の指標:有病割合、発生割合、発生率

イベント関連の指標の関係は以下の図で整理される。○が観察対象である。観察期間途中で終わっている症例がイベント発生例である。X軸が観察期間を表し左端を時点0,右端を時点1とする。有病割合を計算するには時点0の観察データのみでよい。発生割合を計...
研究デザイン

予後因子(prognostic factor)と予測因子(predictive factor)

予後因子(prognostic factor)は、無治療で自然経過を観察した場合の、疾病の予後を予測する因子である。予測因子(predictive factor)は、治療効果の予測に役立つ因子である(=治療効果に対して交互作用を持つ因子であ...
研究デザイン

中間解析 (interim analysis)

定義中間解析(interim analysis)とは広義には臨床試験実施中に(=最終解析時点前の途中の段階)でなされる解析のことである。狭義には、第III相ランダム化比較試験において、プライマリーエンドポイント(時にはセカンダリーエンドポイ...
研究デザイン

完全無作為1要因デザイン

定義完全無作為1要因デザインとは、1要因に含まれる複数の水準の各水準に、被験者を無作為に割りつける実験デザインである。関連ランダム化(無作為割付)
研究デザイン

ITT(intention-to-treat)の原則

同義語治療意図(intention to treat, ITT)定義ITT(intention-to-treat)の原則とは、比較試験のデータ解析の際に、群の分類を、実際に受けた介入ではなく、割り当てられた介入によって決める原則のことである...
研究デザイン

true endpoint (真のエンドポイント)

同義語clinical endpoint(臨床的エンドポイント)定義true endpoint(真のエンドポイント)とは、患者の利益を直接反映する変数(指標、アウトカム)のこと。(里見 2011)は、true endpointは "long...
研究デザイン

control arm (CA)

定義control armとは比較試験において、関心のある治療に割り付けられた群ではなく、これと比較対象となる群のことである。例えば、治療法の研究であれば、新治療法がstudy arm、その時点の標準治療がcontrol armとなる。関連...
研究デザイン

study arm (SA)

定義study armとは比較研究において、新たに検討したいと思っている介入(新しい治療法など)に割り付けられた群を指す用語である。関連control arm(CA)
研究デザイン

疫学研究デザインの分類

疫学研究の介入の有無、群間比較の有無、横断/縦断、研究対象の4つの観点から以下のように整理可能である。記述疫学研究観察or介入群間比較横断or縦断研究対象症例研究(報告)観察無横断個人症例集積研究観察無横断個人診療実態研究観察無横断個人分析...
研究デザイン

症例対照研究 (case-control study)

同義語ケースコントロール研究 (case-control study)、症例対照研究(case-control study)、ネステッド症例対照研究(nested case-control study)定義症例対照研究は以下の手順で進められ...
研究デザイン

コホート研究 (cohort study)

定義コホート研究(cohort study)とは、1つ以上のコホート内における疾病の発生を測定する研究デザインである。「全ての疫学研究の原型」(ロスマン)であり、縦断研究の1種である。コホート研究の分類分類1:前向き vs 後ろ向きコホート...
研究デザイン

ランダム化(無作為割付)

同義語ランダム化、無作為割付、randomize定義ランダム化とは、研究対象を群分けして、どのような介入をどの群に対して行うかを、無作為に決定すること。原始的にはくじ引き、乱数表などを使用して行われていたが、現在では洗練されたコンピュータア...
研究デザイン

盲検化(masking)

同義語盲検化、マスク化、masking定義盲検化とはある患者が介入群が、対照群であるかをわからなくする方法である。RCTにおけるバイアス対策の1つである。盲検化は、一重盲検化(single masking)、二重盲検化(double mas...
疫学指標(検査・診断)

診断法の研究の指標:感度(sensitivity)、特異度(specificity)

診断法の研究はリサーチクエスチョンの構造、研究デザインともに同時の形態を持つ。従って研究結果を要約する指標もまた独自のものを持つ。具体的には感度(sensitivity)、特異度(specificity)が重要である。分割表に基づいて感度、...
疫学指標(因果的効果)

絶対リスク減少 (absolute risk reduction)

定義絶対リスクの差の総称。絶対リスクそのものが、発生割合(=リスク)や発生率の総称であることから、絶対リスク現象も発生割合や発生率の差ということになる。総称であるため意味が曖昧になるおそれがあるので、可能な限り特異的な用語を用いるべきである...
疫学指標(因果的効果)

相対リスク (relative risk)

同義語相対リスク、相対危険、relative risk定義相対リスク(relative risk)は、絶対リスク(リスクや発生率)の比である。即ちリスク比、発生率比の総称である。絶対リスク同様相対リスクも総称であるため、意味の曖昧さが残る用...
疫学指標(因果的効果)

NNT (Number Needed to Treat)

定義NNTは絶対リスク減少(absolute risk reduction)の逆数である。NNTに相当する人数を治療すると1人のイベント発生を防げると解釈する。治療以外に、予防、診断に概念を拡張することもできこれらの場合、Number Ne...
疫学指標(因果的効果)

オッズ比 (Odds ratio)

定義オッズ比はケースコントロール研究において、コホート研究におけるリスク比の代用として計算される指標である。分割表で定義すると以下の通り。結果(+)結果(-)行周辺合計要因(+)ABA+B(=R1)要因(-)CDC+D(=R2)列周辺合計A...
研究デザイン

曝露(exposure)

定義曝露(exposure)とは要因のことである。具体的な意味は、治療を受けることであったり、リスク因子を持つことであったり、研究によって異なる。臨床疫学では要因あり群を曝露群、要因なし群を非曝露群と呼ぶ。
研究デザイン

観察研究

定義観察研究は介入を伴わない研究デザインの総称である。観察研究は更に、比較検討の有無により、比較を伴う分析的観察研究と、比較を伴わない記述的観察研究(記述研究)に分類される。関連診療実態研究 診療実態研究は記述研究の1種である。
研究デザイン

縦断研究(longitudinal study)

定義縦断研究とは、研究によって得られたデータが2つ以上の時点に関連している研究のことである。2時点以上の測定が必要な研究といってもよい。1時点の測定データのみを使用する横断研究(cross-sectional study)の対義語である。分...
研究デザイン

横断研究 (cross-sectional study)

定義横断研究(cross-sectional study)とは、研究によって得られたデータが全て同一時点の情報である研究のことである。曝露と疾病を同時に測定する研究である。横断研究のメリットとデメリットメリット横断研究では1時点の状態のみを...
研究デザイン

分析的研究

定義分析研究とは、研究内に複数の群があり、群間の比較を伴う研究である。通常、介入研究は分析研究でもある。観察研究には分析的観察研究(analytical observational study)と、記述研究(descriptive stud...
研究デザイン

介入研究

同義語実験研究定義研究者による被験者に対する何らかの介入を伴う研究のこと。対義語は観察研究(=介入を伴わない研究)である。介入研究の目的は、介入群と非介入群で結果の差があるかどうかを比較することである。この、介入群と非介入群の割り付けが無作...
疫学指標(因果的効果)

相対リスク減少 (relative risk reduction)

同義語相対リスク減少、相対危険減少定義相対リスク減少 = 1 - リスク比相対リスク減少も比の一種であり、従って0~1の値を取る。関連リスク比 (risk ratio)絶対リスク減少 (absolute risk reduction)
疫学指標(因果的効果)

絶対リスク (absolute risk)

同義語絶対危険、絶対リスク、absolute risk定義絶対危険(absolute risk) は、発生割合 (incidence proportion)、発生率 (incidence rate) の総称である。絶対リスクは総称であるから...
疫学指標(因果的効果)

分割表 (contingency table)

同義語分割表、クロス表、2x2表、contingency table, cross table定義分割表とは2変数の関係を分析するために作成される表で、以下の形で表現される。結果(+)結果(-)行周辺合計原因(+)ABA+B原因(-)CDC...
バイアス

ランダムでない脱落によるバイアス

同義語バイアスのかかった症例追跡 (biased follow-up)定義ランダムでない脱落によるバイアスとは、発生率 (incidence rate)の研究において、脱落(drop out)がランダムに発生していない場合に、発生率の推定結...
疫学指標(疾病発生)

発生率 (incidence rate)

定義発生率 = アウトカム発生数 ÷ at riskな総人時間ある集団(=at riskな集団、分母)において、一定の時間単位(年、月、日など)において新たにアウトカムが発生する速度のこと。例えば1人年あたり何人がイベントを起こすかというこ...
疫学指標(疾病発生)

リスク(risk)

同義語発生割合(incidence proportion)、cumulative incidence(累積罹患)、リスク(risk)、危険(risk)定義発生割合 = (リスク集団の中である一定期間に)イベントが発生した人数 ÷ リスク集団...
疫学指標(疾病発生)

有病割合 (prevalence proportion)

同義語有病割合、有病率、prevalence proportion、prevalence計算式と単位有病割合=有病者の人数 ÷ 疾患の危険性を有する観察母集団の人数単位は無次元。(パーセントで表現することもある)。値は0から1の間の実数。定...
バイアス

外的妥当性 (external validity)

同義語一般化可能性 (generalizability)定義外的妥当性(extenal validity)とは、ある研究の結果結果が、どの程度広い標的集団に適応できるかを示す概念である。選択バイアス(例えば自己選択バイアス)は外的妥当性を損...
定義と測定

操作化(operationalization)

定義操作化(operationalization)とは、概念を定量的に測定可能な変数として定義すること。言い換えれば概念を測定可能な指標に落とし込むことである。例えば長さ、重さ、時間などの物理量は物理学以前にそもそも定量化されている。一方、...
定義と測定

概念図からモデル式を構築する際の注意事項(説明変数の取捨選択)

概念図には、説明したい現象(目的変数)とその説明に寄与すると想定する因子(説明変数)をリストし各変数間の関係性をマッピングしていく。この概念図を元に統計解析(具体的には多変量解析)を実施するには、概念図からモデル式を構築する作業が必要となる...
バイアス

内的妥当性 (internal validity)

同義語内的妥当性(internal validity)、比較の質定義定義1:内的妥当性(internal validity)とは、1つの比較研究の"内"部における"比較の質"のことである。定義2:内的妥当性とは、独立変数xと従属変数yの間に...
研究デザイン

ドナベディアンモデル (Donabedian model)

Avedis Donabedianが提唱した、医療の質研究において、医療の質を測定するために使用される枠組み(フレームワーク)のこと。「構造(structure)」 → 「過程(process)」 → 「結果(outcomes)」という3つ...
研究デザイン

診療実態研究(practice patterns study, practice variation study, patterns of care study)

同義語practice patterns study, practice variation study, patterns of care study定義診療実態研究とは診療の実態を対象とした観察研究(更に言えば観察研究の一種である記述研...
バイアス

交絡 (confounding)

定義交絡(confounding)は、2つ以上の要因が連動して変化するため、そのうちのどれが結果に影響しているのかを判断できない状態である。ある目的変数yへのある説明変数xの影響を知りたいシナリオを考える。交絡があるとは第3の変数(=剰余変...
因果関係

ミルの3条件(因果関係の存在を主張する根拠)

ミルの3条件X(原因) → Y(結果)という因果関係の存在を主張するための必要条件としてジョン・スチュアート・ミルは以下の3条件を提示した。(1) XはYよりも時間的に先行していること(2) XとYの間に関連があること(3) 他の因果的説明...
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