概念図からモデル式を構築する際の注意事項(説明変数の取捨選択)

概念図には、説明したい現象(目的変数)とその説明に寄与すると想定する因子(説明変数)をリストし各変数間の関係性をマッピングしていく。

この概念図を元に統計解析(具体的には多変量解析)を実施するには、概念図からモデル式を構築する作業が必要となる。

このモデル式構築の際には、概念図にある説明変数のうち、どの説明変数を残し、どの説明変数を削除してモデル式を構築するかという、説明変数の取捨選択作業が必要となる。

取捨選択作業は、まず概念図上の説明変数を、今回の研究で検証しようとしている主たる説明変数とその他の説明変数に分類することから始まる。主たる説明変数を仮に新説明変数と呼ぶ。その他の変数は主として既知の有意な説明変数であるから、仮に既知説明変数と呼ぶ。既知説明変数を新説明変数との関係から、モデル式に組み込むか否か篩にかけるのが取捨選択作業の本質である。

即ち、既知説明変数が新説明変数と無相関である場合、完全相関である場合(≒因果関係にある場合)は、その既知説明変数はモデル式から除外する。

逆に既知説明変数と新説明変数に相関があるか、交互作用がある場合にはモデル式に組み込む。新説明変数と相関がある既知説明変数は一般に「交絡因子」と呼ばれる。

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