同義語
発生割合(incidence proportion)、cumulative incidence(累積罹患)、リスク(risk)、危険(risk)
定義
発生割合 = (リスク集団の中である一定期間に)イベントが発生した人数 ÷ リスク集団の人数
ある一定期間に、あるリスク集団(=分母)のうち、イベントを発生する人(=分子)の割合である。この割合は、その追跡調査期間内のあるイベントの平均リスクを表している。報告の際には一定期間の具体的な数値をあわせて報告することが必須である。
解釈
リスクの解釈には、リスクが測定された観察期間の長さが必要である。例えばリスクが10%で場合、それが今後10分である疾病にかかる人の割合が10%なのか、今後10年である疾病にかかる割合が10%を意味するのか、解釈に時間情報(10分あるいは10年)が必須ということである。
リスクは累積的な指標である。(測定期間を通して、リスクは上昇する一方である)。
疾病の発生を評価する指標としてはリスクには欠点がある。それは関心対象の疾病以外の原因で死んでしまう人がいるという問題である。人数比であるリスクではこの問題を回避できない。この問題を回避するには、人数ではなく人時間を使用する発生率や生命表分析を使用する必要がある。
他の指標との関係
発生割合 = 1 – EXP( – 発生率 x 観察時間)
発生割合が10%以下程度と少ない場合は、以下の式でも大きな誤差は生じない。
発生割合 = 発生率 x 観察時間
関連
参考
Online MPH and Teaching Public Health | SPH