定義
信頼性とは、テスト理論において、検査得点が真の得点によって決定される程度、即ち検査得点が測定誤算によって左右されない程度のことである。以下の式で定義される。
信頼性=真の得点の分散/検査得点の分散
信頼性は0~1の値をとる。信頼性が1である時、テストは完全な信頼性を持つ。
なお、古典的テスト理論では、
検査得点=真の得点+測定誤差
と分解したモデルを想定している。
信頼性の推定値
真の得点そのものを知ることは不可能であるため、信頼性は何らかの方法で推定するしかない。
信頼性の推定値として「内的整合性信頼性(internal consistency reliability)」、「再テスト信頼性(test-retest reliability)」、「評者間信頼性」(inter-rater reliability)などがある。
内的整合性信頼性は、同一尺度に含まれる項目間の検査得点の相関である。
再検査信頼性、再テスト信頼性 (test-retest reliability)は、同一対象の複数時点で検査得点の相関である。
採点者間信頼性 (inter-rater reliability)は、同一対象の複数評価者による検査得点の相関である
信頼性の推定値と対応する指標
信頼性の種類 | 指標 | 意義と解釈 |
内的整合性信頼性 | クロンバックα係数 | 古典的テスト理論における内的整合性の指標。 0-1の範囲を取る。1に近いほどよい。 0.7以上で十分と考えることが多い。 |
内的整合性信頼性 | ω係数 | 因子分析の枠組みによる内的整合性の指標。 0.7以上で十分と考えることが多い。 α係数よりもよい数字が出る。 |
再テスト信頼性 | ICC(級内相関係数) | 0.7以上で十分と考えることが多い。 |
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