博士論文を書くために実際に使用したソフトウェアをまとめておきたい。論文作成に必要な技術の半分くらいはこれらのソフトウェアの使いこなしかもしれない。
文献管理
データ集計
Excelを使用した。よほどの大規模データでなければExcelで十分だ。Excelの関数、ショートカット、マクロ(VBA)に精通すると作業効率が高まる。意外とこれらの機能を使いこなさずに論文作成している人もいるが、勉強した方が得ではないかと思う。
統計解析
RとRStudioを使用した。いずれも無料であり組み合わせて使用する。統計解析ソフトとして最強といって過言ではない。これらのソフトについてはこのブログに大量の記事があるので参考にして頂ければ幸いである(R)。日本語の情報も非常に充実している。多くの人にとって統計学の習得こそが大学院レベルで学ぶことの重要部分となる。
もちろん、JMP、SPSS、SASなどの有料ソフトウェアでも問題ない。エクセル統計というソフトを使っている人もいる(これは微妙な気もするが使い勝手はいいのだろうと想像する)。
本文作成
Wordで本文を作成した。表の作成にはExcelを使用した。ごく一般的な組み合わせであるが、結論としてはこれが一番使い勝手が良かった。どうやって連携させるのかなど細かいノウハウがあるが、それはこのブログでもまとめてきた(Word)。
Wordの他にScrivenerというアウトライナーも使ってみた。文献を読みまとめノートを作る目的には便利だった。Wordよりもアウトラインの入れ替えはやりやすい。全体の構成が固まらない段階でメモを蓄積し、構成を試行錯誤する段階では有用な場面もあるだろう。しかし本文の仕上げには使い勝手が悪い。参考文献の挿入、図表番号の管理、目次の作成など、Wordの方が明らかに優れている。ZoteroはWord用のアドインがあり自在に連携できる。これがなければ大量の参考文献を管理することは難しいだろう。
図の作成
Scappleというソフトがある。Scrivenerの開発元が作成しているコンセプトマッピングソフトだ。思いつくままにキーワードを入力し、キーワード同士を線で結んだ図を作ることができる。PowerPointでも同様の図はもちろん作れるが、Scappleはとにかく素早く簡単にコンセプトマップを作成できる。Scrivenerよりマイナーなソフトだが、私の場合、結局今でも使っているのはこちらである。
校正
盲点だったが最後にもしかすると一番苦しんだことの一つは誤字脱字を失くす校正作業だった。Wordにもある程度の校正機能があるが変換ミスの指摘などには力不足である。
この分野にはJust Right!というソフトがある。価格が高いため導入は躊躇われるかも知れないが、買う価値はある。文章作成に校正は必須の作業であり、一度この便利さを知ってしまうと、これなしでやってきたことを無謀に感じるだろう。
私はAmazonプライム会員だったので数千円の割引を受けることができた。これだけでもAmazonプライムの年会費は元が取れてしまう。
英語ではGrammarlyというソフトが有名なようだ。
まとめ
以上、紹介してきたソフトから最小セットを考えると以下のようになる。
- Microsoft Office (Word + Excel)
- Zotero
- R
- RStudio
- Just Right!
それぞれ代替ソフトを使用してもいいが何かソフトは必要だろう。これらのソフトをインストールして一通り使いこなせるようになるためには、そこそこ勉強が必要である。最初からこれらのツールの紹介と使い方のレクチャーがあれば論文の作成はとても快適に進むだろう。
論文作成される方のお役に立てば幸いである。
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