臨床開発における相(phase) : 第Ⅰ相~第IV相

定義

臨床開発における相(phase) とは、医薬品や新しい治療法の臨床開発の段階のことである。

臨床開発は第Ⅰ相~第IV相の逐次的な4つの相からなるとされる。

各相と臨床試験の対応

各相と臨床試験の種類はおよそ以下のように対応する。

第Ⅰ相:臨床薬理試験 human pharamacology

第Ⅱ相:探索的(治療)試験 therapeutic exploratory

第III相:検証的(治療)試験 therapeutic confirmatory

第IV相:治療的使用 therapeutic use

上記対応は厳密な1対1の対応ではないため、従来は第○相試験のような呼び方が多くなされてきたが、最近では試験は試験目的に応じて呼ぶことが推奨されている。

第Ⅰ相 (phase Ⅰ)

初めてヒトに当該治療が実施される段階。

主なエンドポイント:最大耐用量(maximum tolerated dose)、第Ⅱ相での推奨容量(recommended dose)

第Ⅱ相 (phase Ⅱ)

患者における治療効果の探索を主たる目的とする段階。

主なエンドポイント:奏効率(response rate)(奏功割合 response proportion)、腫瘍縮小効果(objective tumor response)

第III相 (phase III)

治療効果を確認する段階。通常は、標準治療ないしプラセボを対象とするRCT。

主なエンドポイント:標準治療ないしプラセボを対象とする優越性

なお、抗悪性腫瘍薬では第III相RCTは承認・市販後に行われる。

第IV相 (phase IV)

医薬品承認後、適応疾患に対する医薬品の最適な使用法を明らかにする段階。市販後調査を第IV相に含める考え方と含めない考え方がある。

 

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