ざっくり言うと
- 縦隔腫瘍の組織型は多彩であるが、放射線治療で主として問題となるのは、胸腺腫、胸腺癌、胚細胞腫瘍の3つである
- 正岡分類は主としてT因子の分類であり、N因子は考慮していない(M因子は考慮している)
- 正岡分類IVa期は要するに心嚢や胸膜への「播種」というものがあると予後が悪いと言っているのだろう
- 正岡分類で大血管への浸潤がIII期とされているのは頭頸部や食道のTNMと違う点である。要するにこれはTNMではないということか。
病期分類
- 縦隔腫瘍には通常、TNM分類は用いない(存在しない)
- 胸腺腫、胸腺癌の分類には正岡分類を用いる
- 胚細胞腫瘍の病期分類は確立していない
胸腺腫
- 正岡分類Ⅰ期、完全切除 → 手術のみでOK(PORT不要)
- 正岡分類Ⅱ期 : PORTの意義は議論がわかれている
- 正岡分類III期 : R1では術後照射、R2ではPORT+化学療法。(R0についてはガイドライン明記なしだが、線量記載があるためするのだと思われる)
- 正岡分類IV期:まずは化学療法先行。腫瘍縮小後、集学的治療。
- WHO病理組織分類による予後予測も参考にする。
胸腺癌
- 早期から遠隔転移をきたしやすい。
- 局所浸潤著明例が多い
- 完全切除、不完全切除に関わらずRT、ケモを組み合わせた集学的治療が必須
胚細胞腫
- 組織型が重要な予後因子。良性か悪性か。悪性なら精上皮腫か非精上皮腫か。
- 成熟奇形腫(良性) : 切除のみで治癒可能。ケモ、ラジ不要。
- 精上皮腫 : 進行例でも化学療法、放射線療法で治癒可能
- 非精上皮腫 : 初期治療は化学療法。病巣残存時は手術追加。RTの役割は小さい。
放射線治療(胸腺腫、胸腺癌、胚細胞腫に共通)
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全縦隔照射野両側鎖骨上窩への予防照射は原則不要
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胸腺腫・胸腺癌(R0) 45-50Gy。
- 胸腺腫・胸腺癌(R1) 54Gy。
- 胸腺腫・胸腺癌(非完全切除) 60Gy以上。
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胸腺腫・胸腺癌(切除不能) 60-70Gy。
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精上皮腫(RT単独) 全縦隔 30Gy + 原発巣にboost 10Gy(合計40Gy)
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精上皮腫(ケモ併用) 腫瘍に限局して20-30Gy
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非精上皮腫 : 確立していないが、40-60Gy程度が多い。
併用療法
- 浸潤性胸腺腫、胸腺癌 : シスプラチンを中心とした化学療法
- 悪性胚細胞腫 : BEPなど(ブレオマイシン、エトポシド、シスプラチン)
正岡分類
| 病期 | 定義 |
|---|---|
| Ⅰ期 | 完全に被膜で覆われているもの |
| II期 | 被膜を破り、周囲脂肪織や被膜へ浸潤するもの |
| III期 | 心嚢・大血管・肺など隣接臓器に直接浸潤するもの |
| IVa期 | 胸膜あるいは心嚢内播種しているもの |
| IVb期 | 遠隔転移のあるもの |

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