基礎知識
- 日本では扁平上皮癌が90%。欧米では腺癌が50%。
- 同時性重複癌は約10%、同時性+異時性重複癌は20%弱
解剖
- 頸部(Ce) + 胸部(Te) + 腹部(Ae)に分類。胸部は 上胸部(Ut)+中胸部(Mt)+下胸(Lt)に分類。
- 食道癖の構造 : 粘膜上皮、軟膜固有層、粘膜筋板(ここまでT1a)、粘膜下層(T1b)、固有筋層(T2)、外膜(T3)の6層構造。
病態
- 代表的症状: 嚥下困難、飲食時の刺激感。胸背部痛は進行癌を考慮する。
- リンパ節転移が多い。粘膜下層の癌でも転移率 50%。転移範囲も広い(Utで腹部リンパ節転移、Ltで頸部リンパ節転移は稀ではない)
- 遠隔転移も多い。
- 食道癌取り扱い規約では、粘膜下層までを「表在型」、固有筋層以深を「進行形」と分類する。
治療方針
- 術前化学療法後の手術が標準治療である。従来は広範囲リンパ節郭清+食道(亜)全摘術が標準治療であった。
- 根治CRT後の救済手術、手術後の救済CRTともに重要性を増している
- 切除不能局所進行癌 → CRT
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Ⅰ-ⅢC期切除可能癌 → CRT + salvage手術で、手術単独を上回る報告あり
-
一般的に受け入れらている治療方針
| 病期 | 亜分類 | EMR | 手術 | CRT | RT | CT |
|---|---|---|---|---|---|---|
| ⅠA | 粘膜 | ◎ | ||||
| ⅠA | 粘膜下層 | ○ | ◎ | ○ | △ | |
| ⅠB-ⅢC | ◎ | ○ | △ | |||
| ⅠB-ⅢC | ◎ | △ | ||||
| Ⅳ | △ | △ | ◎ |
治療方針(ⅠA期)
- sm1まではEMRの適応
- EMR後のCRTもある
治療方針(ⅠB-ⅢC)
- 術前化学療法 → 手術が標準治療
- 欧米では術前CRTも標準的になされている(35Gy/15Fr、CDDP 80mg/sqm day1、5-FU 800mg/sqm day1-4)
- CRT ± 救済手術も標準治療に匹敵する
治療方針(Ⅳ期)
- 化学療法単独が標準治療
- RTは緩和照射
放射線治療
- Mtの予防域にはコンセンサスはない
- 線量は 50.4Gy/28Fr or 60Gy/30Fr(日本)
併用療法
- CRT後の維持化学療法の有効性は現在検証中である → 実臨床では基本的に実施がよいとされている
- 維持化学療法は通常投与法と少量連日投与の比較試験進行中
EMR後の術後照射
- 照射適応が2つあることに要注意
- (1) 断端陽性 → 局所制御目的
- (2) 深達度が粘膜下層 → 予防的リンパ節照射目的
- 断端陽性例では未治療食道表在癌に準じて、根治治療をする
- 深達度粘膜下層例では従来は手術であったが、CRTも同等の治療成績の報告あり
根治手術後の術後照射
- 予防的な術後照射の有効性を示すエビデンスはない
治療成績
- 食道癌CRT 9施設の生存率中央値(1999-2003) JROSG
| 病期 | 3yOS | 5yOS |
|---|---|---|
| A群:Ⅰ期 | 67%(50-100%) | 56%(48-83%) |
| B群:切除可能Ⅱ-Ⅲ期 | 42%(24-69%) | 29%(12-52%) |
| C群:切除不能(T4,M1-lymph) | 21%(10-36%) | 18%(0-31%) |
術後再発食道癌の急再照射
- 可能な限りケモ併用する
- 処方線量は60Gyを超えないこと(60Gy超で胃管壊死の報告あり)
緩和的RT
- 嚥下困難改善率 80% 処方線量は 30-40Gy程度
食道小細胞癌
- 標準治療は未確立であうが、小細胞肺癌に準じた方針で治療する。即ち化学療法が鍵であり、可能な限りCRTとする。 60Gyで高率の局所制御が可能。45Gy/30Frのデータはない。
食道悪性黒色腫
- 手術が優先されることが多い
有害事象(急性期)
- 皮膚炎、食道炎、肺臓炎
- 食道炎はほぼ必発、深在性真菌症の可能性も常に考慮(真菌の血清学的検査、内視鏡など)
- 粘膜保護財は少量、頻回投与が原則 (アルロイドGなど)
有害事象(晩期)
- 食道潰瘍
- 食道穿孔 : 最適な治療は確率されていない
- 食道狭窄 : バルーン拡張や硬性ブジーによる拡張
- 肺臓炎 : PSL30-60mg/日で投与開始、陰影軽減、発熱消失、CRP低下を確認後徐々に減量
- 心外膜液貯留 :
- 冠動脈、心筋障害
- 脊髄障害 : Lhermitte徴候(頭屈曲で電気的ショックが脊椎下方に広がる)は一時的であるが、放射線脊髄炎は治療法がない

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