7-88 骨転移

基礎知識

  • 骨転移は担癌患者の30-70%に発生する
  • 転移臓器(頻度順) 1:肺 2:肝 3: 骨
  • 原発臓器 : 乳癌(50%)、前立腺癌(17%)、肺癌(11%)
  • 骨転移疼痛の機序 (1) 骨に起因する疼痛 (2) 腫瘍の圧迫・浸潤による神経障害性疼痛
  • 骨由来の疼痛は変形性脊椎症、良性の圧迫骨折、脆弱骨折などと鑑別が難しい
  • 骨転移の 5-10%に高Ca血症(+) 乳癌、MM、肺SCCなどに多い。
  • X線診断学的分類 溶骨性、造骨性、混合性
  • 病理学的にはX線診断学的分類に加え、骨梁間型がある
分類 原発(好発)
溶骨性 肺癌、甲状腺癌、腎癌、肝癌
造骨性 前立腺、乳腺、消化管
混合性 乳癌が代表
骨梁間型 小細胞肺癌
  • 肝細胞癌やMMでは腫瘤形成することが多く、骨シンチで陰影欠損するため要注意である
  • 骨皮質の破壊度が50%を超えると高頻度に骨折を起こす

放射線治療

  • RTの除痛機序 (1) 腫瘍縮小 (2)サイトカイン抑制
  • RTの目的 (1)除痛 (2)脊髄圧迫による麻痺の予防・改善
  • 脊髄圧迫では神経症状が軽いほど有効
  • 除痛効果 : 照射後2w程度で出現、4-6w頃に最大効果。予後1mos未満では適応となりにくい可能性あり。
  • 脊髄圧迫の麻痺の改善は golden time 24時間以内。24時間を過ぎても数日以内ではまれに改善する例もある。
  • 脊髄圧迫に対する緊急照射時にはステロイド(デキサメタゾン 16mg/日)併用を考慮
  • 切迫骨折 : 内固定術後に術後照射30Gy/10Frが基本。非骨折部位における照射後の溶骨性病変の造骨化は 65-85%に見られる。
  • 髄内釘固定時のCTVはnail endを含め骨全体 or なるべく広く
  • 椎体転移CTVは椎体全体。骨外浸潤や横突起浸潤のある場合は、腫瘍進展側の横突起を含める。
  • 処方線量 30Gy/10Fr, 50Gy/25Fr, 40Gy/20Fr, 20Gy/5Fr, 8Gy/1Frなど。除痛効果は同等。

標準治療成績

  • 除痛効果は組織型による差異なしとの報告が多い
  • 疼痛完全消失(CR)率は 50%
  • 1回照射の方が除痛効果発現が早い。一方で急性期有害事象増悪のリスクがあり、疼痛再燃率、骨折率、脊髄圧迫発生率は高い。
  • 分割回数が多いほど脊髄圧迫の再発率は低いと考えられている
  • 患者が歩行可能なうちに治療開始 → 80%が歩行維持。不全麻痺 → 1/3に改善。対麻痺 → 7%に改善。膀胱カテーテルは20-40%で抜去可能。
  • 神経障害性疼痛の疼痛改善率は 40-60%と低く、一般の有痛性骨転移の除痛効果に劣る。
  • 再照射 : 50-60%に疼痛緩和あり。初回治療時の除痛効果が高いほど、再照射も有効。

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