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7-46 肛門癌
篠原2010
2015.07.07
基礎知識
- 肛門癌は大腸癌の約3%
- 発癌リスク因子 : HPV、 HIV、肛門性交、喫煙
- 組織型が多彩
- 肛門管の中央を歯状線が走る
- 肛門領域のリンパ流には3経路ある : 外腸骨系(歯状線より下方では浅鼠径リンパ節を介して)、内腸骨系(歯状線とその周囲から)、下腸間膜系(直腸に近い部位では直腸某リンパ節から)
- 直腸肛門の内面の上皮は、腸管の延長である上皮(粘膜)、皮膚の性格を帯びた上皮(肛門上皮)、その中間の上皮(移行上皮)からなる。この複雑性が悪性疾患の組織型の多彩さを生み出す。
- 初期症状: 出血・肛門違和感(45-50%)、疼痛や腫瘤自覚(30%)、無症状(20%)
- 肛門管扁平上皮癌の主な進展形式は周囲臓器への直接浸潤とリンパ行性転移。血行性転移の頻度は低い。
- 診断時の所属リンパ節転移は約25%
- 再発形式: 原発巣と骨盤内リンパ節が骨盤外より多い。局所領域再発は多くて30%、骨盤外再発は多くて20%。
- 解剖学的進展度が最大の予後因子
- 肛門周囲皮膚癌とは区別される。鑑別困難な場合、肛門管癌と考える。
- 肛門管癌の所属リンパ節: 直腸傍リンパ節、内腸骨リンパ節、鼠径リンパ節。
- 肛門周囲皮膚癌の所属リンパ節: 同側の鼠径リンパ節
標準治療
- 腺癌 → 標準治療は手術
- Ⅰ期: 外科的or内視鏡的局所切除術
- それ以外: 腹会陰式直腸切断術 + 人工肛門造設術
- 扁平上皮癌 → 標準治療はCRT
- Ⅰ期: 局所切除 or RT単独
- II・III期(病変が骨盤内に限局): CRT (レジメンは5-FU+MMC)
- Ⅳ期: ケモ(5-FU +CDDP)
- CRT後の遺残or局所再発 → 救済手術(腹会陰式直腸切断術)。但し鼠径リンパ節転移のみの遺残・再発の場合は鼠径リンパ節郭清。
- 5-FUとMMC併用CRTはG3以上の血液毒性が60%と高い
- CRT後の追加化学療法の有用性は示されていない
放射線治療
- 切除例の病理学的検討では骨盤内リンパ節転移 30-60%、鼠径リンパ節転移15-20%
- CRTでは1回線量 1.8Gy
- 処方線量は統一されていない。RTOG0529ではT2N0で50.4Gy/28Fr、T3/T4orN(+)で54Gy/30Fr
- CRTでは総線量50.4-59.4Gyが推奨される
- 予防照射の船楼は40-45Gyが推奨される
- 照射中の予定休止期間を置かないことが推奨されている
標準治療成績
- 局所制御割合 60-80%、5y生存割合:65-80%、肛門温存割合: 70-90%
有害事象
- RTOG9811 5FU+MMCのCRT : G3以上の急性期有害事象 血液(60%)、皮膚炎(48%)、消化器(34%)、泌尿器(3.3%)、FN(18%)
- 遅発性: 便失禁、慢性直腸炎、穿孔、瘻孔形成、慢性膀胱炎、皮膚炎、下肢リンパ浮腫、骨盤骨/大腿骨骨折/不全骨折、など。G3以上は小腸/大腸 2.6%、皮膚 2.7%、皮下組織 1.4%、膀胱 0.5%
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