Viswanathan 医師の死生観研究

Viswanathan[54]は、155人の医師を対象としたアンケート調査を実施し、性別、専門分野により死の不安、コントロールの座(locus of control)、人生の目的意識に差があるかどうか、またこれらの変数が死の告知に関する態度に影響をおよぼすかどうかを検討した。コントロールの座とは、自分の行動の結果が、自分の振る舞いという内的要因によって決まるのか、あるいは偶然、運不運、強力な他者などの外的要因によって決まると思うのか、その程度を表す概念である。この研究での死の告知とは、患者が予想外の死を向かえた時にそれを家族に知らせる際に、「患者さんが危篤です。すぐに病院に来られますか?」という間接的な告知をするか、患者が死んだと電話で端的に伝える直接的な告知のどちらを好むかを見たものである。女性医師の方が男性医師よりも死の不安が高かった。精神科医の方が外科医よりも死の不安が高かった。内科医ではコントロールの座を外部と考える傾向があった。人生の目的意識は、死の不安及び外的なコントロールの座と負の相関があった。死の不安は患者の不慮の死を家族に伝える方法と関連しており、死の不安の高い医師は間接的な告知を好んでいた。

Viswanathanの研究は医師の死生観と臨床行動の関連性を示した点で貴重なものである。この他に医師の死生観を中心に扱った研究はほとんどないものと思われる。

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