同義語
残差逸脱度(residual deviance)
定義
逸脱度(deviance)はモデルの当てはまり具合(quality-of-fit)を表す統計量である。
逸脱度はDと表記されることが多い。
逸脱度D = -2 x log(尤度比λ)
= -2 x (log(フルモデルの尤度) – log(提案モデルの尤度))
= -2(フルモデルの対数尤度 – 提案モデルの対数尤度)
なおこの場合の自由度 df = 飽和モデルの自由度 – 提案モデルの自由度である。
解釈
逸脱度は最小二乗法(least square method)における残差平方和(sum of squares)を、最尤推定法を用いたモデルフィッティングの場合に一般化した概念である。
残差逸脱度が0に近いほど提案モデルが優れている(=フルモデルに接近している)と解釈する。
パラメータを追加すれば残差逸脱度は必ず小さくなる(パラメータが増える=フルモデルに近づくわけだから当然である)。従ってモデル選択においては、残差逸脱度の減少が、パラメータ追加というコストと見合ってどうかを判断する必要がある (→ 情報量基準)。
応用
逸脱度はカイ2乗分布で近似されるため、検定統計量として利用しやすいという利点を持つ。
逸脱度は尤度比検定(likelihood ratio test)などの検定統計量として用いられる。
関連
Wald検定
[R]{aod}wald.test() : モデル係数に対するWald検定を実行する関数
参考
Deviance (statistics) - Wikipedia
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