休日照射に関するJASTROガイドラインの作成(日放腫会誌 2004)

放射線治療は週5日ペース(平日は毎日照射、土日おやすみ)で行われるのが標準的である。総治療期間をいたずらに延長させることは治療効果を低下させると考えられているためである。従ってゴールデンウィークや年末年始など、休日の多い時期には照射日程のやりくりがひつようとなる。

実際には施設ごとに基準を作って運用している。例えばある施設では2週間で8回以上の照射を最低回数としている。また休日には、全例ではなく特に必要性が高いと症例に限って照射する施設もある。

この辺の施設ごとのルール作りをする際に参考になるのが、休日照射に関するJASTROガイドラインの作成(REPORTS FOR THE GUIDELINES OF SALVAGE RADIOTHERAPY ON HOLIDAYS) である。

以下に、特に有用な情報と思われる部分を引用しておく。

全治療期間が生存率およびQOLに影響を与える可能性のある疾患のリスト

推奨グレード対象疾患照射目的
グレード1:強く推奨頭頸部扁平上皮癌根治
グレード2:推奨子宮頸癌根治
食道癌根治
肺癌根治
グレード3:施設にゆだねる乳癌予防
前立腺癌根治
その他の根治、姑息照射例根治、姑息

休日照射基準

  • 「連続4日以上は照射休止を行わない」「1週間に最低3日以上は照射する」などの簡単な基準案あり。これらの優劣は不明。
  • ガイドライン提案: 「1日2Gyで総線量が60Gyなら総照射期間45日以内に照射を終了する、同様に総線量が66Gyなら総照射期間50日以内に終了する」

エビデンス

  • 頭頸部癌では治療延長による治療成績低下は明らかである
  • 子宮頸癌では治療延長により1日あたり1%程、治療成績が低下したとの報告が多い(但しRT単独の研究)

参考

休日照射に関するJASTROガイドラインの作成 | CiNii Research

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