体の微細な感覚を観る瞑想

体の微細な感覚を観る瞑想とは

体の微細な感覚を観る瞑想は、山下良道氏が『本当の自分とつながる瞑想入門』 の中で紹介している瞑想法です。

山下氏はここでいう体の微細な感覚は、ヨガの「プラーナ」、気功の「気」と同じものであると述べています。山下氏によれば体の中には微細なエネルギーに満ちたフィールドがあり、氏はこれを「内なる体」と呼んでいます。つまり体の微細な感覚を観る瞑想はプラーナを観る瞑想、気を観る瞑想、内なる体を観る瞑想と呼ぶこともできると考えられます。

体の微細な感覚を観る瞑想は、体の中で一番敏感なセンサーを持つ手のひらで微細な感覚を観察することから始めて、順次微細な感覚を観る範囲を広げていき、最終的には全身で体の微細な感覚を感じられるように訓練していく瞑想です。体の微細な感覚を観察することによって、頭の中で奔走し続ける思考を止め、「今ここ」に戻っていくことができるようになるとされています。

体の微細な感覚を観る瞑想のやり方

完全な手順は以下のように述べられています。

(1) 静かな場所に坐蒲を敷いて座り、両手のひらを上に向け、膝の上に置きます。

(2) 目を閉じて下腹(おへその下付近)に意識を向け、ゆっくり腹式呼吸を始めます。

(3) しばらく腹式呼吸を繰り返しながら、鼻から息が出たり入ったりするのを感じ、下腹が動くのを意識します。

(4) 右手のひらに意識を向け、手のひらの中の感覚を感じます。

(5) 右手のひらの微細な感覚が感じられるようになったら、その感覚を右腕全体に広げていきます。

(6) 左手のひらに意識を向けます。(4)、(5)と同じ手順で左腕全体で微細な感覚を感じていきます。しばらく、両腕で微細な感覚を感じます。

(7) 右足のつま先、足の裏、かかと、足首の順番に注意を向け、微細な感覚を感じていきます。その後、足の付け根に向かってその感覚を広げ、左足も同様に行います。

(8) 両足の股関節のところまで微細な感覚がきたら、お尻がどのように坐蒲に支えられているのかを意識し、下半身全体の微細な感覚を感じていきます。

(9) 尾てい骨に意識を向けます。そこから、背骨に沿って、1センチ刻みで少しずつ上に向かいながら、微細な感覚が昇っていくのを感じます。同時に、下腹部、胃腸、みぞおち、胸、肩の順で、胴全体にその感覚が広がっていきます。

(10) 肩から、首、顔、頭の順で、微細な感覚が昇っていくのを感じます。頭全体に微細な感覚が広がったら、微細な感覚が体全体に広がっていくのを感じてください。

(11) 時間が来たら静かに目を開け、終了します。

考察

仏教瞑想の文脈で言えば、この瞑想法は体の観察を行う手法の1つと考えることができるでしょう。そして体の観察を行う瞑想は仏教独自のものではなく、ヨガや気功でも行われている実践なのでしょう。

アーナパーナサティの第3段階では体を感じながら呼吸することが述べられていますが、実際に体を感じるとはどういうことなのか、どのようにして感じていくのか、体の微細な感覚を観る瞑想はその1つの方法として参考になると思います。

体を感じながら呼吸するとあっさり書かれている実践ですが、体を部分に分解して観察していき慣れたら全身を同時に観察するという経験は、観察の質を高める役に立つのではないかと思います。

実際にやってみますと、確かに手のひらは感じやすいです。足になりますと、足を組んでいることからくる感覚が大きく、微細な感覚を足全体で感じるのは難しいです。体幹部や頭部も手のひらに比べれば微かに感じられる程度です。

瞑想を続けていくと全身同じように微細な感覚を感じられるようになるのか、やはり手のひらが感じやすく他は感じにくいままなのか、その辺のことは『本当の自分とつながる瞑想入門』 には書かれていないのでわかりません。

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