仏教辞典

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五火ニ道説(ごかにどうせつ)

定義 五火二道説とは『ウパニシャッド』(BC.600年頃~)に説かれる輪廻思想である。 五火とは、死者は火葬されたのち(1)月に行き(2)そこから雨となって再び地に落ち(3)植物に吸収されて穀物となり(4)それを食べた男の精子となり...
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有身見(うしんけん)

定義 有身見とは、五蘊を自分とみなす見解である。平たく言えば、私というものが確かに存在する、私の肉体としてであれ、私の心身としてであれ、確かに存在しているという実感である。仏教的にはこの実感は錯覚に過ぎないとされている。
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三結(さんけつ)

同義語 巴: tīni saṃyojanāni, ティーニ・サンヨージャナーニ 定義 三結(さんけつ)とは、預流果を得ると断たれる3つの煩悩の総称である。即ち、有身見(うしんけん)、疑(ぎ)、戒禁取(かいごんしゅ)である。
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サンジュニャー(Samjna)「想」

定義 サンジュニャーは語源的には「何かと一緒にやってくる知識」という意味であり、五蘊の教義の中では、何かを経験した後にそれとの連想が浮かび上がってきた時点で起きる反応のことである。 何かを経験した際に、それと連想される過去の反応パタ...
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六識

定義 六識とは、眼識・耳識・鼻識・舌識・身識・意識のことである。 六識は初期仏教の心のモデルである。 関連 八識
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五遍行(ごへんぎょう)

定義 五遍行とは、どんな心にも伴う普遍的な心作用のことであり、具体的には「触(そく)」「受」「想」「思」「作意(さい)」である。 関連 五蘊(ごうん)
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感受(受)ヴェーダナー(vedana)

同義語 英語では、感情(feeling)、反応(reaction)などと訳されるがニュアンスは異なる。 定義 ヴェーダナーは仏教用語としては「受」、「感受」と訳される。現代日本語で一番ニュアンスが近いのは感覚である。 ヴェーダナ...
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ルーパ(rupa)「色」

同義語 英語ではform(形)と訳される。 定義 ルーパとは、ありのままの物自体(=ダルマ)ではなく、自分の枠組みを通して知覚された物のことである。 色=身体と理解されることもあるが、より広い意味で、自分の存在を支え強めるとみな...
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内語

定義 内語とは、声に出さず心の中で唱える言葉のことである。 関連 ラベリング
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ラベリング

定義 ラベリングとは、瞑想中に心身に生じる現象を、内語によって言語化する作業のことである。 ラベリング瞑想は有効、有害、双方の報告がある。 マハーシ式が代表的なラベリング瞑想である。 関連 ヴィパッサナー瞑想(マハーシ...
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摩耶夫人(まやぶにん)

同義語 マーヤー 説明 摩耶夫人は釈尊の産みの母である。出産後7日で死亡したと伝えられている。 釈尊の父は、摩耶夫人の死後、その妹のマハーパジャーパティーを後妻にしたと伝えられている。
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縁起

同義語 dependent origination(英) 定義 現時点での事物が、次の時点での事物が生起する条件となること。
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四念処(しねんじょ)

定義 四念処(しねんじょ)とは以下4つの瞑想対象のことである。 身随観(kayanupassana) 受随観(vedananupassana) 心随観(cittananupassana) 法随観(dhammananupassa...
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呼吸瞑想における呼吸の観察方法

呼吸瞑想とは呼吸を観察対象(瞑想対象)とする瞑想である。要するに呼吸に意識を集中するように努力し、他のことに気が散ってしまったら穏やかに呼吸に注意を戻すということを繰り返す、本質はそれだけのことである。 とはいえ、では実際に呼吸を観察...
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ボディー・スキャン(body scan)

ボディー・スキャンとは? ボディー・スキャンはジョン・カバット・ジンの『マインドフルネス ストレス低減法』の第5章で紹介されている瞑想法である。 ボディー・スキャンとは、体を部分部分に分けて(1つの部分が1つのスキャン単位となる)、...
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心随観(cittanupassana)

定義 心随観(cittanupassana)とは、心の活動を対象とした気づきの瞑想のことである。 関連 身随観 受随観 法随観 四念処
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ヴィパッサナー瞑想(マハーシ式)

現代ヴィパッサナー瞑想の代表であるマハーシ式の実際のやり方を、マハーシ・サヤドー本人の著作である『ヴィパッサナー瞑想』をもとに紹介する。ここでは座る瞑想を例に取って説明する。 座る瞑想のやり方 まず座る。 呼吸にあわせて心を下腹部に向...
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ヴィパッサナー運動(vipassanā movement)

同義語 洞察瞑想運動(Insight Meditation Movement) 定義 目覚め(awakening)を得て預流果(stream-enterer)となるための主な方法として存在の3つの印に対する気づきを強調する 現代テーラ...
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サマタ(止)

定義 サマタ(止)とは、心を1つの対象に強制的、連続的に結びつける(集中させ続ける)瞑想法である。心の働きそのものを止めることが目標である。 サマタの9段階(禅定の9段階) 仏教ではサマタは9段階で上達していくと説明されている。各段階...
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五蘊(ごうん)

同義語 五取蘊、five aggregates of grasping 定義 五蘊とは色受想行識の総称である。 色とは身体のことである。受想行識は心の働きである。 漢訳 サンスクリット 英訳 概要 ...
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経行(きんひん)

同義語 歩行瞑想、歩く瞑想、チャンクラマ 定義 経行(歩く瞑想)とは、歩きながら、歩くという動作を細かく分けて1つずつ気づき続けていく瞑想である。心を歩行という動作に結びつける心一境性(三昧)の訓練である。 歩く瞑想は雑念が生じ...
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サマーディ

同義語 三昧(さんまい):サマーディの音訳語である 心一境性(しんいっきょうせい、エーカンガタ):サマーディの意訳語である 定義 (1) 心を1つの対象に結びつけること。その対象に気づくこと。 (2) 強制的に心の働きを何...
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止滅の道(ニブリッティ・マールガ)

定義 止滅の道とは、心を静めることを目指す瞑想である。促進の道と並ぶ、インドの瞑想の伝統における2つの道の1つである。 止滅の道という発想が誕生した背景には、思念(心の働き) → 行い(業、カルマ) → 輪廻転生(生と死を無限に繰り...
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インド瞑想の2つの道:「止滅の道」と「促進の道」

インドの瞑想には2つの道(方向性)がある。即ち「止滅(しめつ)の道(ニブリッティ・マールガ)」と「促進の道(プラブリッティ・マールガ)」である。 止滅の道とは、心を鎮める瞑想である。密教を除く仏教の瞑想はこの止滅の道である。 促...
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怒りの消し方

この記事をお読みの方は自分自身の怒りの問題で困っておられるのでしょうか?あるいは自分ではなく自分の愛する人の怒りの問題でしょうか?いずれにせよ怒りの問題を根本的に解決するために、役立つと思う情報をお届けしたいと思います。 なぜなら、怒りの...
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十二因縁

定義 十二因縁とは、相互依存的に連続して現れる自然法則として釈尊が説いた教えである。具体的な内容は以下の通りである。 1. 無明 → 2. 行 → 3. 識 → 4. 名色 → 5. 六処 → 6. 触 → 7. 受 → ...
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雨安居(うあんご)

定義 雨安居(うあんご)とは、雨期にあたる旧暦8月の満月の日の翌日から旧暦十一月の満月の日までの約3ヶ月間のことである。 上座仏教国ではこの期間、僧侶たちは自らの選んだ特定の寺にとどまって籠もりの修行に入ることが決められている。特別な理...
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止観(サマタ・ヴィパッサナー)

同義語 samatha, vipassana 定義 仏教における瞑想法は大きくサマタ(止)とヴィパッサナー(観)に分類される。止観(サマタ・ヴィパッサナー)とはこの両者をあわせた仏教瞑想の総称である。 サマタ(止)瞑想とは、一つ...
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苦(dukkha)

同義語 苦(パ:dukkha) 定義 苦とは「思い通りにならないこと」という意味である。 関連 四聖諦(ししょうたい)
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無明(アヴィチャー)

定義 無明(アヴィチャー)とは、「見(観)ないこと」である。 仏教においては苦の根本原因は無明と考えられている。従って仏教において苦を解決する方法は「見ること(観)」とされる。 見るための具体的な方法が「観」と呼ばれる瞑想(ヴ...
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サンカーラ(行)

同義語 行 定義 サンカーラとは、無自覚かつ自動的な心の反応のことである。 仏教ではサンカーラを苦しみの要因と考えている。
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実践法(Cariya-dhamma)

定義 実践法(Cariya-dhamma)とは、一切のありのままに対する正しい理解(実相法)を、具体的に生活に役立たせることである。 関連 実相法(Sacca-dhamma)
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実相法(Sacca-dhamma)

定義 実相法(Sacca-dhamma)とは、一切のありのままの姿を観て理解することである。 関連 実践法(Cariya-dhamma)
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三学

定義 三学とは、仏教における修行を3つの様式として整理したものである。 三学の具体的内容は「戒(かい)」「定(じょう)」「慧(え)」である。 戒 → 定 → 慧の順で、下位のものが上位のもの土台となって修行が進むと説かれること...
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八戒

定義 八戒とは、仏教の在家信者が寺に寝泊まりして修行する際に守ることを求められる戒律である。 具体的な内容としては、五戒に3つの戒を加え、五戒の第三戒である不邪淫戒を梵行戒に変更したものである。 追加される3戒は以下の通り。 ...
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法の六徳

定義 法の六徳とは、法(ダンマ)の特質として挙げられる6つのことである。 (1)サワーガートー(善説):ブッダによって、徹頭徹尾、善く正しく説かれたもの (2)サンディティコー(自見):行じた者が自らはっきり見られるもの (3)...
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無財の七施

定義 無財の七施とは、財産や地位はなくともできるとされる7つの布施である。財産や地位はなくとも布施はでき、周囲の人たちの心を和ませ、自身の徳を積めるという大乗仏典『雑宝蔵経』にある教えである。 1. 眼施(げんせ)優しいまなざしで見...
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口の四善業

定義 口の四善業とは、 善口(善い言葉)として釈尊が挙げた4つのタイプの言葉のことである。 1.不妄語(ふもうご):嘘をつかないこと。むしろ正直に真実を語ること。 2.不両舌(ふりょうぜつ):人の仲を裂く言葉を言わないこと。む...
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瞑想におけるマントラ

瞑想にはマントラを使用するものがあります。マントラとは何なのか、どのようなものがあり、どのような効果が期待できるのか、考察してみたいと思います。 マントラとは何か マントラ(サンスクリット語:マントラ、英語:mantra、日本語:真言)...
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アーナパーナサティ・スッタ(出入息念経)

アーナパーナサティ(出入息念)は釈尊自身が最も頻繁に説き、自らも実践したと考えられている瞑想法です。 16段階(4段階を1組とする4つの組から成る)で構成されています。パーリ語の原典は1つのはずですが、訳文は私が調べただけでも数種類...
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五戒

定義 五戒とは、在家を含む全ての仏教徒に守ることが求められる5つの決まりである。 不殺生戒(ふせっしょうかい):生き物を殺さないこと 不偸盗戒(ふちゅうとうかい):人のものを盗まないこと 不邪淫戒(ふじゃいんかい):邪な...
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カーラーマ経に見る仏教的情報リテラシー

『カーラーマ経』は、カーラーマという土地の人々が釈尊に「いろいろな教義を説く人が来るのですが、何をどう受け入れたらよいのかわからず困っています。どうしたらよいでしょうか?」と質問したことに対し、釈尊が答えた内容を伝える仏典である。 釈...
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渇愛(タンハー)

同義語 渇望(thirst)、渇愛、貪欲(craving) 定義 渇愛とは、苦を経験した時に、わきあがってくる感情(feeling)である。その本質は「自己を再び作り上げようとする」ことへの渇望であると説明される。 乾いた喉が水...
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随喜(ムディター)

定義 随喜(ムディター)とは、相手の喜びに共感して共に感じる喜びのことである。仏教ではよいものとされている。 関連 喜(ピティ)
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喜(ピティ)

同義語 喜、(巴piti) 定義 喜(ピティ)とは、喜びの感情のこと、happinessのことである。 仏教における喜(ピティ)の位置づけ 喜は怒りの解毒剤とされる。 喜を縁として「軽安」や「禅定」が生じるとされる(=喜びを経て...
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七善友法

定義 七善友法とは、釈尊の説いた善友の備える7つの性質のことである。 1. 愛らしく、親しみが感じられること 2. 頼りがいがあり、尊敬できること 3. 知恵深く、理解力があり、たえず自己の向上に努めていること ...
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八正道(はっしょうどう)

同義語 八聖道、八聖道分、八支正道、八聖道支 定義 八正道とは、四聖諦の1つである道諦の具体的な実践方法のことである。仏教において苦しみをなくすための具体的な方法、涅槃に至るための8つの実践方法であると言ってもよい。 正見(...
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四聖諦(ししょうたい)

同義語 Four Noble Truth 定義 四聖諦(ししょうたい)とは、釈尊の説いた4つの真理の教えである。 漢訳 サンスクリット 苦諦(くたい) Dukkha ドゥッカ 集諦(じったい) ...
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意馬心猿(いばしんえん)

定義 意馬心猿とは、走り回る馬や、枝から枝へ飛び移って騒ぎ立てる猿のように、思うように制御することのできない心を表現する仏教用語である。
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瞑想中の座り方

瞑想中の伝統的な座り方として、「結跏趺坐」や「半跏趺坐」がある。 結跏趺坐は、両方の足を太ももに乗せる座り方である。半跏趺坐は、片方の足だけを太ももに乗せる座り方である。 瞑想中は一般的にはいずれの方法で座ってもよく、椅子に座っ...
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