説明
graphics::par()を使用するとグラフィカル・パラメータの設定あるいは取得をすることができる。グラフィカル・パラメータはpar()に対する引数として指定する。その際の引数は、(1)タグ=値という形式、(2) タグ=値を1要素とするリスト、のいずれかの方法で記述する。
通常の使用法
現在のグラフィカル・パラメータの設定情報のリスト <- par(タグ=値)
上記のように、現在のグラフィカル・パラメータの設定情報のリストを保存しておくことで、何らかの処理を行った後で、グラフィカル・パラメータの復元が可能となる。
引数
指定できるパラメータは多岐に渡る。パラメータには値の設定が可能なものと、不可能なもの(=読み取りのみ可能なもの)がある。以下には代表的なもののみ示す。
mfcol, mfrow
値はc(行数、列数)の形式で記述されるベクトルである。本パラメータ設定後は、画面をパラメータ値で指定した行数x列数に分割した各区画(いわばセル)に図が描画されることになる。mfcolで指定した場合には列方向で、mfrowを指定した場合は行方向で、順に図が描画される。
要するに、何も指定しないとRは1画面に1枚の図を描画するが、1画面に複数の図を同時に描画したい場合に使用する。
mfcol,mfrowの指定に伴い、自動的にcexパラメータの値も調整される。
cex
数値である。テキストおよびシンボルのデフォルトに対する拡大率を指定する。デフォルト値は1。mfrowなどを設定してグラフィック・デバイスがリセットされるとcexの値もリセットされる。
使用例
グラフィカル・パラメータの設定を一時的に変更し描画処理を行った後、元に戻す
oldpar <- par(mfrow=c(2,2)) # 何らかの描画処理を行う par(oldpar) # グラフィックデバイスの設定を元に戻す
現在のグラフィカル・パラメータの全設定を取得する(以下の出力は各自の実行環境に依存する)
> par() $xlog [1] FALSE $ylog [1] FALSE $adj [1] 0.5 $ann [1] TRUE $ask [1] FALSE $bg [1] "white" $bty [1] "o" $cex [1] 1 $cex.axis [1] 1 $cex.lab [1] 1 $cex.main [1] 1.2 $cex.sub [1] 1 $cin [1] 0.2000000 0.2666667 $col [1] "black" $col.axis [1] "black" $col.lab [1] "black" $col.main [1] "black" $col.sub [1] "black" $cra [1] 14.4 19.2 $crt [1] 0 $csi [1] 0.2666667 $cxy [1] 0.02326483 0.05269514 $din [1] 10.250000 7.513889 $err [1] 0 $family [1] "" $fg [1] "black" $fig [1] 0 1 0 1 $fin [1] 10.250000 7.513889 $font [1] 1 $font.axis [1] 1 $font.lab [1] 1 $font.main [1] 2 $font.sub [1] 1 $lab [1] 5 5 7 $las [1] 0 $lend [1] "round" $lheight [1] 1 $ljoin [1] "round" $lmitre [1] 10 $lty [1] "solid" $lwd [1] 1 $mai [1] 1.360000 1.093333 1.093333 0.560000 $mar [1] 5.1 4.1 4.1 2.1 $mex [1] 1 $mfcol [1] 1 1 $mfg [1] 1 1 1 1 $mfrow [1] 1 1 $mgp [1] 3 1 0 $mkh [1] 0.001 $new [1] FALSE $oma [1] 0 0 0 0 $omd [1] 0 1 0 1 $omi [1] 0 0 0 0 $page [1] TRUE $pch [1] 1 $pin [1] 8.596667 5.060556 $plt [1] 0.1066667 0.9453659 0.1809982 0.8544917 $ps [1] 16 $pty [1] "m" $smo [1] 1 $srt [1] 0 $tck [1] NA $tcl [1] -0.5 $usr [1] 0 1 0 1 $xaxp [1] 0 1 5 $xaxs [1] "r" $xaxt [1] "s" $xpd [1] FALSE $yaxp [1] 0 1 5 $yaxs [1] "r" $yaxt [1] "s" $ylbias [1] 0.2
指定したパラメータの値を取得
# パラメータの設定時とは違い、取得時にはパラメータを引用符でくくらなければいけないことに注意せよ > par("mfrow") [1] 1 1
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