[論文]Long-Term Outcome of 444 Patients with Distant Metastases from Papillary and Follicular Thyroid Carcinomas: Benefits and Limits of Radioiodine Therapy

Long-Term Outcome of 444 Patients with Distant Metastases from Papillary and Follicular Thyroid Carcinomas: Benefits and Limits of Radioiodine Therapy

# 目的
本研究の目的は、遠隔転移を伴う甲状腺がん患者に対して投与すべきI-131の累積活性を推定することである。

# 方法
1953-1994に遠隔転移を伴う甲状腺乳頭癌・濾胞癌患者444名が治療された。
肺転移のみ(223名)、骨転移のみ(115名)、肺転移及び骨転移(82名)、その他の転移(24名)
治療は甲状腺ホルモン治療休薬後のI-131 100mCi(3.7GBq)投与。最初の2年間は3-9ヶ月ごと、その後は年に1回、転移病巣の集積が消失するまで。
I-131投与と投与の間ではTSH抑制療法を実施した。

# 結果
「画像所見なし」(nagative imaging studies ; 全身I-131シンチで集積なし、X線検査で異常なし)がI-131の集積を認めた295名のうち43%で達成できた。
若年者、高分化型、病変の広がりが狭い患者でより「画像所見なし」が得られた。
ほとんどの「画像所見なし」は3.7-22GBq(100-600mCi)の投与後に得られた。
約半数の「画像所見なし」はRAI治療開始から5年以上たって得られた。
「画像所見なし」が得られた患者で、後に再発したものは7%に過ぎなかった。
10年生存率は「画像所見なし」が得られた患者では92%、得られなかった患者では19%であった。

# 結論
I-131治療は若年で、転移巣が小さくI-131の取り込みを認める患者では非常に効果的である。
このような患者群に対しては、あらゆるI-131集積の消失が得られるまで、あるいは累積線量が600mCiに達するまで治療を継続すべきである。
その他の患者では、腫瘍進行が認められた時点でその他の治療法を考慮すべきである。

# ポイント
I-131 22GBq(600mCi)以上でがんと白血病のリスクが高まる(16)
肺線維化、口渇、涙腺障害もI-131の高度の累積活性と相関する(17,18)

画像所見なしを達成するまでに投与されたI-131累積活性の中央値は8.1GBq(220mCi)であった。
画像所見なしを達成するまでの累積投与量;7.4GBq以下(200mCi)で48%、7.4-14.8GBq(201-400mCi)で36%、14.8-22.2GBq(401-600mCi)で12%、22.2GBq以上ではわずか4%のみ。

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