竹倉史人は『輪廻転生 〈私〉をつなぐ生まれ変わりの物語 (講談社現代新書)』のなかで、生まれ変わりという観念を「医療資源」とみなし、その治療効果を質的、量的に分析する実証研究の例を紹介している。多くの研究結果が、輪廻転生の観念には、人生の意味を増大させる、死の不安を軽減する、死別の悲しみを和らげるなどのポジティブな効果があると述べているそうである。
論文の例として挙げられているのは以下のものである。
「社会制度と心理学的解釈:治療資源としてのドゥルーズ族の輪廻転生思想」(2001)リトルウッド(英・ロンドン大学文化人類学部/精神健康科学部)
「カルマ思想の探求:タイの家族介護が実践するエイズ患者の安らかな死」(2007)ニルマナットほか(タイ・プリンスオブソンクラ大学看護学部)
「寓話の作成による遺族の死生観の明確化:現代遺族の抱く輪廻転生観」(2008)宮林幸江(日本・宮城大学看護学部)
「前世の記憶を持つ人々にみられる氏の苦悩の減衰と人生の意味の増大」(2011)メイヤーズバーグほか(米・ハーヴァード大学心理学部)
「輪廻転生思想は老いた中国人仏教徒の死の不安を緩和するか」(2012)カーイェンフィほか(英・サウサンプトン大学心理学部)
この本は巻末に主な参考文献一覧があるのだが、残念なことにこれらの論文の引用が示されていない。論文のタイトルや著者名が和訳されてしまっているため検索も困難である。出版社には考え直して頂きたいと思うところである。
なお日本語論文は容易に検索できたため、上記リストにURLをつけておいた。
参考
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