タイロゲンとは
タイロゲン(一般名:ヒトチロトロピン アルファ(遺伝子組換))とは、遺伝子組換えヒト型甲状腺刺激ホルモンである。
日本ではジェンザイム・ジャパン株式会社が販売している。
タイロゲンの適応
タイロゲンは「分化型甲状腺がんで甲状腺全摘または準全摘術を施行された患者」に対する診断あるいは治療の補助として使用される薬剤である。この条件を満たさない患者に対する有効性・安全性は確立していないため投与しない。
(1) 放射性ヨウ素シンチグラフィの診断補助
(2) 血清サイログロブリン(Tg)試験の診断補助
(3) 遠隔転移を認めない患者における残存甲状腺組織の放射性ヨウ素によるアブレーションの補助
タイロゲンの適応
甲状腺ホルモン補充療法を中止せずに、診断及びアブレーションが可能になるため、甲状腺機能低下症に陥ることを避けられる。つまり患者さんのQoLが上がる。
タイロゲンを使用した場合と使用しない場合で、診断および治療成績は同程度と考えられる。
用法用量
タイロゲンは1日1回の臀部への筋注を連続2日行うことで投与する(=24時間間隔で投与する)。
2回めのタイロゲン注射後から、24時間後に放射性ヨウ素(診断用 or 治療用)を投与する。
診断用の放射性ヨウ素投与後から48時間後にTg採血、48-72時間後に診断シンチを行うのが原則である。
治療用の放射性ヨウ素(I-131)投与後の診断シンチの撮像時期は、I-131の減衰を考慮して適切な時期に行う。(某大学病院では通常、月曜15時にI-131を投与し、金曜日にWBSを撮像している。)
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