甲状腺がんにおけるTg(サイログロブリン)の意義

甲状腺がんでは残存腫瘍や再発判定のために腫瘍マーカーとしてTg(サイログロブリン)が使用される。

Tgとは?

  • Tgは甲状腺濾胞細胞でのみ産生される。従って病理検体からTgが検出された場合、その組織は甲状腺由来であると確定診断可能である。血清Tgに関しては後述するように偽陽性、偽陰性の可能背がある( → フック効果、HAMAを参照)。
  • Tgは甲状腺ホルモンと共に血清中に分泌される。
  • TgはT3/T4の貯蔵型である。
  • 血清Tgの半減期は約30時間である。
  • Tg検査には測定下限(検出限界)が存在する。TSH刺激(甲状腺ホルモン中止あるいはrhTSH投与による)によりこの下限を引き上げることがある。これにより20-25%の患者で検出可能となる[10]。

アブレーション成否判定の指標としてのTg

  • 甲状腺全摘+RAI後のTg値は < 1~2ng/mLが期待される(アブレーション成功の目安である)。しかしながら10-50%の患者は生化学的な疾患の証拠を示す。

感度・特異度

  • 残存甲状腺がんの検査として、メタアナリシス[44]によればTgの感度/特異度は、甲状腺ホルモン離脱状態で96/95%、rhTSH負荷状態で 93/88%、TSH抑制療法下で 78/98%である。rhTSH負荷+頚部超音波では感度 93%、得度99%である[45]。

甲状腺がん予後因子としてのTg

  • RAI前のrhTSH下のTgはDFSの予測因子である。
  • Tg倍化時間1年未満は予後不良(疾患特異的死亡率、局所領域転移率、遠隔転移率)である。

Hook effect(フック効果)

Tgの免疫測定検査(immunometric assay)において、あまりにもTg濃度が高すぎる場合に、Tgを検出できない現象のこと。
これは2抗体サンドイッチの形成が阻害されることによる。Tg検査の偽陰性の原因となる。

HAMA(Heterophilic antibotidies)

HAMAが存在するとTg検査の偽陽性の原因となりうる。臨床上これが問題となるケースは稀である。

参考文献

UpToDate

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