放射線治療後の下部尿路症状(LUTS : lower urinary tract symptoms)に対する薬物治療

放射線治療後の下部尿路症状(LUTS : lower urinary tract symptoms)に対する薬物治療のポイントを整理する。

 外照射(EBRT)

予防投与

  • 外照射での薬物予防投与はエビデンスが乏しい

急性期LUTSに対する薬物治療

  • α1ブロッカーが使用されることが多い
  • NSAIDよりα1ブロッカーが有効との報告あり(Zelefsky 1999)
  • 牛車腎気丸が有用との報告もある

晩期LUTSに対する薬物治療

  • 薬物治療の効果について明確な報告は乏しい
  • α1ブロッカーが使用されることが多い

小線源治療

LDR(低線量率 low dose rate)

  • 閉塞症状にはα1ブロッカーが治療の中心となる。
  • α1ブロッカーのみで改善が乏しい場合、タダラフィルの追加投与が有効との報告もある(道面 2016)
  • 尿意切迫感、頻尿に対してはα1ブロッカー + 抗コリン薬/β3作動薬の併用が有用と考えられている

HDR(高線量率 high dose rate)

  • HDRはLDRよりも急性期・晩期ともにLUTSの発生頻度は少ない(Hindson 2013)
  • ただし晩期有害事象である尿道狭窄はLDRよりもHDRに多い(3-10%程度)
  • LUTSの治療としてはα1ブロッカーが中心
  • 尿道狭窄には、内尿道切開術やバルーン拡張術などが用いられる

参考資料

薬局 2016 vol.67, No.11 pp.132-136

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