H28年2月、厚生労働省から出された『事業場における治療と職業性生活の両立支援のためのガイドライン』のポイントをまとめた。
本ガイドラインの主旨
「本ガイドラインは、がん、脳卒中、心疾患、糖尿病、肝炎などの治療が必要な疾病を抱える労働者に対して、事業場において適切な就業上の措置や治療に対する配慮が行われるよう、事業場における取組をまとめたもの。」
就業とがんを考える社会背景
がんの5年生存率は経時的に上昇している。H5-8:53.2%→H15-17:58.6%
仕事をしながらがんで通院している人 H22:32.5万人
がん罹患数 85万人/年、うち3割が就労世代
出典 2011国立がんセンター 「がん登録・統計」
就労と治療の両立の難しさ
糖尿病患者の8%が通院を中断しており、その理由としては「仕事(学業)のため、忙しいから」が最多
出典 平成25年厚生労働科学研究「患者データベースに基づく糖尿病の新規合併症マーカーの探索と均てん化に関する研究―合併症予防と受診中断抑止の観点から」
連続1か月の療養を必要とする社員が出た場合に「ほとんどが病気休職を申請せず退職する」「一部に病気休職を申請せず退職するものがいる」とした企業は、正社員のメンタルヘルスお不調の場合は18%、その他の身体疾患の場合は15%であり、過去3年間で病気休職制度を新規に利用した労働者のうち、38%が復職せずに退職していた。
出典 平成25年独立行政法人 労働政策研究・研修機構「メンタルヘルス、私傷病などの治療と職業生活の両立支援に関する調査」
両立支援に関する制度・体制の整備
相談窓口の明確化
休暇制度:時間単位の年次休暇、傷病休暇・病気休暇
勤務制度:時差出勤制度、短時間勤務制度、在宅勤務(テレワーク)、試し出勤制度
両立支援に必要な情報
ア 症状、治療の状況
- 現在の症状
- 入院や通院治療の必要性とその期間
- 治療の内容、スケジュール
- 通勤や業務遂行に影響を及ぼしうる症状や副作用の有無とその内容
イ 退院後又は通院治療中の就業継続の可否に関する意見
ウ 望ましい就業上の措置に関する意見(避けるべき作業、時間外労働の可否、出張の可否等)
エ その他配慮が必要な事項に関する意見(通院時間の確保や休憩場所の確保等)
両立支援プランに盛り込むことが望ましい事項
1.治療・投薬などの状況及び配慮の具体的内容及び実施時期・期間
2.就業上の措置及び治療への配慮の具体的内容及び実施時期・期間
- 作業の転換(業務内容の変更)
- 労働時間の短縮
- 就業場所の変更
- 治療への配慮内容(定期的な休暇の取得等) 等
3.フォローアップの方法及びスケジュール(産業医等、保健師、看護師等の産業保健スタッフ、人事労務担当者などによる面談など)
様式例
「勤務情報を主治医に提供する際の様式例」
「治療の状況や就業継続の可否についての主治医の意見を求める際の様式例(診断書と兼用)」
「職場復帰の可否等について主事の意見を求める際の様式例」
「両立支援プラン/職場復帰支援プランの作成例」
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