定義
打切り(censoring)とは、生存時間分析において、観測対象のイベント時間が部分的にしかわからない状態(問題)のことである。部分的にわかるというのは、イベント時間の範囲(ある時間以上、以下など)はわかるが正確な値がわからないという意味である。(全くわらかない状態は欠損値である。 )
打切り分類
(1) 情報のない打ち切り(noninformative censoring) vs 情報のある打ち切り(informative censoring)
情報のない打ち切りとは、打ち切り発生の背後に系統的なメカニズムが存在しない、打ち切りである。例えば、ただ単に研究期間がそこで終了した場合はこれである。
情報のある打ち切りとは、打ち切り発生の背後に系統的なメカニズムが存在する、打ち切りである。情報のある打ち切りを含むデータセットに対する生存時間分析は妥当性がなく、統計手法的にこれを制御する術もない。
情報のない打ち切り(non-informative censoring)=ランダム打ち切り(Random censoring)
(2) 右側打ち切り (right-censoring) vs 左側打ち切り(left-censoring)
左とは観測開始時点、右とはイベント発生時点のことである。
右側打ち切りとは、観察期間中にイベントが発生しない打ち切りである。
左側打ち切りとは、観察開始時間が測定できないことによる打ち切りである。
生存時間研究において右側打ち切りが発生するのはある程度避けれれない。左側打ち切りは慎重な研究デザインにより根絶可能である。
分類に関する別の説明
- 右打切り(Right censoring) – イベント発生時点はある観察時点よりも上(右)であることはわかるが、正確にいつであるかはわからない。実際の生存時間の下限のみが分かっている状態。生存時間は少なくとも○○日より長いというような状態。
- 左打切り(Left censoring) – イベントの発生した時点はある時点よりも下(左)にあることはわかるが、正確にいつであるのかはわからない。実際の生存時間の上限のみがわかっている状態。生存時間はせいぜい××日未満というような状態。
- 中間打切り(Interval censoring) – イベント発生時点は2つの時点で挟まれた間隔のどこかであることはわかるが、正確にいつであるのかはわからない。実際の生存時間の範囲がわかっている状態。
- タイプⅠの打切り(Type I censoring) – 予め研究対象集団と研究期間が決まっており、研究期間が終わると、研究対象集団にイベントが発生していなくても観察終了となる場合に起こる打切りのこと。この場合、研究期間終了時にイベントの発生していない全対象は全て右打切りになる。
- タイプIIの打切り(Type II censoring) – 予め研究対象集団とこの数だけイベントが発生したら研究を終了することが決まっている場合に発生する打切りのこと。研究終了時い残っている対象は全て右打切りとある。
参考
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