ヘリコバクター・ピロリ (Helicobacter pylori)

定義

ヘリコバクター・ピロリはヒトの胃などに存在するグラム陰性微好気性細菌である。単にピロリ菌とも呼ばれる。

ポイント

ピロリ菌は1983年にオーストラリアのロビン・ウォレンとバリー・マーシャルにより発見された。

感染経路は経口のみである。免疫機能が未熟な乳幼児期に感染しやすい。

ピロリ菌が原因となりうる疾患は多数知られている。

炎症性疾患:慢性胃炎、胃潰瘍、十二指腸潰瘍

悪性疾患:胃癌、 MALTリンパ腫、びまん性大細胞型B細胞性リンパ腫

血液疾患:特発性血小板減少性紫斑病、小児の鉄欠乏性貧血

皮膚疾患:慢性蕁麻疹

一方で、ピロリ感染が人体にメリットを及ぼす可能性も指摘されている。食道がん、小児ぜんそく、アレルギー性鼻炎、皮膚アレルギーなどを減らしている可能性がある。

治療法(除菌)

ピロリ菌は薬物治療により除菌可能である。

2016年時点、日本で一般的に使用されているレジメンは以下のものである。

レジメン保険適応(2016)
1次除菌療法(P-CAB or PPI) + AMPC + CAMあり
2次除菌療法(P-CAB or PPI) + AMPC + MNZあり
3次除菌療法(P-CAB or PPI) + AMPC + MNZ 倍量投与・倍期間投与

(P-CAB or PPI) + AMPC + STFX

(P-CAB or PPI) + AMPC + LVFX

なし

略語は以下の通り。制酸薬:カリウムイオン競合型アシッドブロッカー(P-CAB)、プロトンポンプ阻害薬 (PPI)。抗生物質:アモキシシリン (AMPC)、クラリスロマイシン (CAM)、メトロニダゾール (MNZ)、シタフロキサシン (STFX)、レボフロキサシン (LVFX) 。

 

 

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