同義語
悪液質 (cachexia)、食思不振・悪液質症候群
wasting syndrome(消耗症候群、衰弱症候群)
定義
悪液質(cachexia)とは、通常の栄養療法では回復ができない体重減少のことである。つまり食べても食べても、体重が減っていく状態である。
「基礎疾患に関連して生ずる複合的代謝異常の症候群。脂肪量の減少の有無に関わらず、筋肉量の減少を特徴とする。」(2006年コンセンサス会議の定義)
症状
筋肉量減少、体重減少、食思不振、るいそう、全身衰弱などの症状を呈する。小児では成長障害を来す。
機序
悪液質は、B.C.4世紀にヒポクラテスが既に記述しているが、その病態生理学的メカニズムの全貌は未だ解明されていない。
悪液質の中心はサイトカインの異常がひきおこす代謝異常と考えられている。サイトカイン以外にも疾病や治療による心身への負荷も悪液質に関与していると考えられている。この代謝異常により、悪液質の状態では高カロリー輸液は無意味と考えられている。
悪液質の原因
悪液質の原因疾患は、がん、心臓の慢性疾患、呼吸器の慢性疾患などである。がんによる悪液質を特にがん悪液質(cancer cachexia)と呼ぶ。
悪液質の治療
ステロイド、サリドマイド、NSAIDsなどの薬物療法が有効である。
心理療法も必要と考えられている。
悪液質と飢餓の違い
飢餓は高エネルギー投与で回復する可逆的病態であるのに対し、悪液質は高エネルギー投与で回復を望めない病態である。
| 悪液質 | 飢餓 | |
| 基礎代謝 | 亢進 | 低下 |
| 筋肉量 | 低下 | 維持 |
| 脂肪量 | 低下 | 低下 |
参考
がん研究最重点課題の一つ、「がん悪液質」を克服できれば「天寿がん」も夢ではなくなる - 「がん治療」新時代
がんの進行に伴って慢性の炎症状態が体に生じて様々な異常を引き起こし、「体と心の衰弱・消耗」と「がんの急速な増大・転移」を引き起こす「がん悪液質」。患者の苦しみと向かい合いながら研究を進める向山雄人氏が、世界のがん研究最大課題の一つと言われるがん悪液質について語った。
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