皮膚悪性黒色腫に対する放射線治療の適応は、(1) 術後照射、 (2)遠隔転移症例に対する緩和照射の2つである。
(1) 術後照射
再発高リスク症例が対象となる。再発部位は原発巣と所属リンパ節である。ガイドラインによれば、治療目的は局所制御であり、生存への寄与は証明されていない。
再発の危険性が特に高いメラノーマ患者では、所属リンパ節廓清後の放射線療法により再発率が低下するので、実施が勧められる。しかし、これによる生存率の向上は証明されていない。(MM-CQ14)
至適照射スケジュールは確立していない。1回線量を2 Gyとし週5回照射で総線量50~70 Gyを照射する方法や、1回線量を5~6 Gyとし週2回照射で30 Gy程度を照射する方法などがある。
(2) 遠隔転移症例に対する緩和照射
脳、骨、皮膚、リンパ節などの遠隔転移部位が照射されることが多い。
なお脳転移例では予後良好例でも平均生存期間は約8か月にとどまる(MM-CQ19)。
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