定義
因子分析とは、観測変数の背後に少数の潜在的な共通因子(common factor)の存在を仮定し、この共通因子から観測変数への影響を推定することを通して、観測変数から生成される相関行列を説明しようとする統計モデルである。
因子分析には、観測データを説明可能なモデルを構築することを目的とした「探索的因子分析(explanatory factor analysis)」と、既にある理論(モデル)が観測データにどの程度当てはまるかを検討することを目的とした「確認的因子分析(confirmatory factor analysis)」がある。
因子分析の数理表現
因子分析では複数の観測変数が、これらの変数に共通の成分(共通因子)と個々の変数に独自の成分(独自因子)から構成されると考える。
因子分析は数理的には以下のようにモデル化される(2因子の場合)。
zij = βj1fi1 + βj2fi2 + ujeij
zij : 標準化された観測値
i : 第i番目の観測対象であることを示す添字
j : 第j番目の変数(観察項目)であることを示す添字
βij : 因子負荷量(factor loading) 共通因子から観測変数への係数
fij : 因子スコア(factor score)
uj : 独自因子から観測変数への係数
eij : 独自因子スコア
係数であるβ、uはデータセット全体で共通の値である。
○○スコアと名がつくものは、各観測対象(observation)ごとに固有の値である。
関連
探索的因子分析(explanatory factor analysis)
確認的因子分析(confirmatory factor analysis)
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