保険外併用療養費制度

保険外併用療養費制度とは、保険診療との併用が認められている保険外診療を管理する国家制度のことである。

国民皆保険制度では原則として保険診療と保険外診療の併用(=即ち混合診療)が禁止されている。しかし一部の保険外診療に関しては例外的に保険診療との併用を認めている。この例外部分を管理する制度が「保険外併用療養費制度」である。

「保険外併用療養費制度」は平成18年(2006)の法改正により「特定療養費制度」を範囲拡大する形で制定された。

「保険外併用療養費制度」は具体的には以下3つの下位分類(療養)から構成される。

  1. 評価療養
  2. 患者申出療養(H28年4月~)
  3. 選定療養

1、2は保険導入のための評価を行うものであり、3は保険導入を前提としないものである。即ち保険導入目的か否かという目的が異なる。

1と2の相違点は、1の評価療養のうち主である先進医療では、医療機関の申し出を起点として先進的医療が実施されるのに対して、2の患者申出療養では患者の申出を起点として未承認薬等を(安全性が一定程度確認された上で)身近な医療機関で使用可能とする仕組みである点である。即ち診療開始の起点が異なる。

以下に、評価療養と選定療養の具体的な内容を示す。

○ 評価療養
・先進医療(先進A:60技術、先進B:48技術平成27年4月時点)
・医薬品、医療機器、再生医療等製品の治験に係る診療
・薬事法承認後で保険収載前の医薬品、医療機器、
再生医療等製品の使用
・薬価基準収載医薬品の適応外使用
(用法・用量・効能・効果の一部変更の承認申請がなされたもの)
・保険適用医療機器、再生医療等製品の適応外使用
(使用目的・効能・効果等の一部変更の承認申請がなされたもの)

○ 選定療養
・特別の療養環境(差額ベッド)
・歯科の金合金等
・金属床総義歯
・予約診療
・時間外診療
・大病院の初診
・大病院の再診
・小児う蝕の指導管理
・180日以上の入院
・制限回数を超える医療行為

参考資料

保険外併用療養費制度について