辞書はコンピュータが最も威力を発揮する分野の1つである。
とにかく大量の情報を、瞬時に、柔軟に検索することはコンピュータの十八番だからである。
例えばどこかの辞書にのっているかもしれない言葉を調べるために、何百という辞書を片っ端から引くなどというのは現実的ではないが、コンピュータを使えばそんなことが簡単にできてしまう。
実際、辞書ソフトはたくさん発売されている。
しかし残念なことは、ほとんどのソフトは1つの辞書だけを電子化したものであったり、メーカーが意図したセットを販売しているにすぎなかったりすることだ。
これでは電子辞書の可能性を100%発揮できない。
1つ1つ辞書データを集めていくと、全てを同時に検索できる1つの巨大な辞書が出来上がる、それが電子辞書にとっては理想的な状態である。
パソコンやスマホは定期的に機種変更するものだから、その度に辞書ソフトを買い直すのではなく、買いためた辞書を新しい環境に引っ越せることも重要である。
このようなことを可能にする技術が「EPWING」である。
EPWINGは電子辞書の共通規格であり、使用する辞書が日本語、外国語、専門用語、百科事典なんであろうと、およそこの規格に則って作られている限り、全部まとめて1つの辞書のように使える素晴らしい規格である。
実はこのEPWINGは新しいものではなく、電子ブックの時代からある。
しかし、正当に評価、認知されているとは言い難い。
これはEPWINGの技術的な欠陥によるものではなく、辞書出版社の収益の問題ではないかと思う。
辞書というのはそうそう買い直す必要のないものだし、古い辞書に価値がある場合もある。
EPWINGなら一度買った辞書が劣化することもなくずっと使い続けられるので、辞書が売れにいのだろう。
さて、EPWING辞書を使い始めるには、EPWING辞書データを用意し、EPWING辞書を読む専用ソフトと組み合わればいい。
辞書データも、辞書ソフトも無料のものがある。
これから始める方には、EB seriesがオススメである。
パソコン(Windows、Mac)、スマホ(iOS、Android)用の無料ソフトがある。
使用できる主要な辞書リストはWikipediaから見ることができる。
EPWINGを使いこなし、自分だけの最高の辞書作りを楽しんでもらえたら幸いである。
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