出典
Høyer M, Swaminath A, Bydder S, Lock M, Méndez Romero A, Kavanagh B, et al. Radiotherapy for Liver Metastases: A Review of Evidence. International Journal of Radiation Oncology*Biology*Physics. 2012;82: 1047–1057. doi:10.1016/j.ijrobp.2011.07.020
上記論文は肝転移に関する放射線治療を根治目的と緩和目的に分類して文献レビューしたものである。以下には緩和目的の全肝照射に関わる部分を抜粋した。
治療成績
WLRTのみで疼痛緩和は55-80%に得られる(本レビューより)。
RTOGパイロット研究(21-30Gy/7-19Gy)の治療成績(奏効率)
腹痛(55%)
悪心嘔吐(49%)
発熱・夜間発汗(19%)
腹水(33%)
食思不振(28%)
腹部つっぱり(27%)
黄疸(27%)
夜間盗汗/発熱(19%)
各症状のCR率は7-34%
25%でPS改善
Leibelらは疼痛に対して奏効率80%(CR 54%)、PS改善28%。疼痛改善の出現は速やかであり、13週間持続した。
処方線量
RTOGでは27-33Gy 1.5Gy1日2回で、線量効果の関係はなし。33Gyで晩期肝障害が増加[66]。
10Gy/2Fr、8Gy/1Frなどのhypofractionationでも草稿の報告あり[13,68]
2Gy換算で30-35Gyまでは耐用可能と考えられる。
有害事象
2Gy/回では30Gy以下、21Gy/7Fr以下、10Gy/2Fr以下では十分に耐用可能[67,13]。
少なくとも片側の腎臓を照射野から除くこと。
照射に先行して高用量ステロイドや制吐剤の投与を検討すべき。


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